新型コロナウイルス感染拡大防止のため、歌舞伎公演が休演する中、歌舞伎専門月刊誌「演劇界」6・7月号(演劇出版社、1750円)が完売した。女性月刊誌「家庭画報」(世界文化社、1400円)も、日本の絶景を特集した7月号がほぼ完売。誌面で歌舞伎や旅行気分を味わえると好評のようだ。
5月29日に発売した「演劇界」6・7月号には有名俳優をはじめ、若手や初舞台を踏んだ子役から部屋子まで総勢117人の歌舞伎俳優が登場。それぞれ「このひと役」を選び、舞台写真とともにその思いを寄せている。
会員制交流サイト(SNS)などで話題となり、販売から5日ほどで完売し、重刷した。重刷は1世紀以上の歴史ある同誌でも異例という。重刷分は7月7日から全国の書店に並ぶ予定。
「演劇界」の大木夏子編集長は「歌舞伎の舞台を見られない中、歌舞伎を欲しているファンがたくさんいることを実感した」と話している。
一方、「家庭画報」7月号は6月1日の発売直後から売り切れとなる店が続出。書店からの追加発注が相次ぎ、完売はほぼ確実視されている。
同号では「日本の絶景遺産」と題し、日本全国47都道府県の未来に伝えたい“えもいわれぬ景観”を、美しく迫力ある写真と動画(QRコード付き)で特集している。読者からは「雑誌のなかで旅ができた」といった声が寄せられた。
「家庭画報」の千葉由希子編集長は「今年の春は長い外出自粛となったが、そんな時にも読者の皆さまの笑顔を思い浮かべ『ご自宅にいながら、誌面を旅していただけますように』-そんな思いで編集した」とコメントした。