工場の倉庫を包む灰色っぽい煙がやまない中、懸命の消火が続く。5日未明に静岡県吉田町で起きた火災。「みんな無事でいて」。周辺住民からは連絡が取れなくなった消防隊員3人と警察官の安否を気遣う声が聞かれた。
現場は駿河湾に面し、多くの工場や倉庫が立ち並ぶ一帯。多くの消防車両が消火に当たったほか、救急車や警察車両も駆け付け騒然となった。
近所の無職、中津川久さん(75)は、午前2時ごろ、鳴り響くサイレンの音で目が覚めた。建物から白い煙が上がっており「行方不明の4人が心配だ」と規制線の外から見守っていた。無職、三浦正己さん(81)は発泡スチロールが焼けたような臭いを嗅いだといい「朝から徐々に煙が増え、家に燃え移るかもしれないと感じた」とおびえた様子。
別の工場に勤める女性によると、2年ほど前にもこの工場で火事があったといい「たくさん知り合いがいるので心配だ」と話した。