【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は16日、米西部ニューメキシコ州で1945年7月16日に人類最初の核実験「トリニティ実験」が行われてから75年を迎えたのに合わせて声明を発表した。
トランプ氏は、核実験を「工学・科学における創造力を示す偉業」だとし、原爆の開発は「第二次大戦の終結に貢献し、世界の安定、科学の発展、経済的繁栄といった未曾有の時代を切り開いた」と評価した。
また、米国が1992年以降、核実験のモラトリアム(自主的な一時停止)を維持していると指摘する一方、「ロシアは爆発を伴う核実験を行い、中国も同様のことをした懸念がある」と批判した。
トランプ氏はその上で「私は就任当初、冷戦下の条約(の枠組み)を超えた、新たな軍備管理の時代を始動させる決意を表明した」と強調。「世界をより安全にし、新たな軍拡競争に歯止めをかけるため、中国とロシアに対して取り組みに加わることを求める」とし、米中露による新たな軍縮・軍備管理の枠組み構築を改めて呼び掛けた。
トランプ氏は一方で、敵対勢力からの攻撃を抑止して米国の枢要な権益を守るため、核兵器の近代化と、無人爆撃機や空中発射型巡航ミサイルなどの最新の核兵器運搬手段の開発を進めていく立場を打ち出した。