静岡・熱海市長「観光回復に必要」 GoTo東京発着除外に  





観光地・熱海の現状について語る斉藤栄市長

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」キャンペーンが東京からの発着や東京を目的地とする旅行を対象から外し、予定通り22日から実施される見通しとなった。東京都を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、全国の自治体から相次ぐ見直し論に押された格好だ。首都圏からの観光客が7割以上の「観光地・熱海」にとって東京除外は痛手となりそうで、静岡県熱海市の斉藤栄市長に現状などについて聞いた。(岡田浩明、写真も)

 --観光支援事業は熱海にとって「大口顧客」といえる東京発着の観光客を除外する方向だ

 「東京発着を対象から外したのは、感染状況が一段と厳しくなっているからだろう。そうした事態を重く受け止めている。ただ、現時点で緊急事態宣言が発令されておらず、政府は発令のレベルには至っていないと判断しているのだろう」

 --観光支援事業の意義は

 「観光産業で成り立つ熱海市の経済は大変厳しい状況で、観光産業を回復させる施策としてキャンペーンは必要だ。政府の緊急事態宣言が発令されていない状況下でキャンペーンを否定することはできない。逆にいえば、発令するような状況であれば当然、キャンペーンは中止だ」

 --裏返せば観光を中心とした地域経済が非常に疲弊している、と

 「熱海は観光関連で働く人が非常に多く、観光が止まれば経済も止まる。経済が止まれば収入が止まり、生活が苦しくなる。持続化給付金などで8月まではしのげるが、秋以降は経営が厳しくなる事業者も出てくる可能性がある」

 --旅館やホテルの予約状況は

 「多くは例年に比べて非常に低い予約率だ。さらに(観光業界から)最近は首都圏の感染者が増えるに従って予約のキャンセルが増えているという声を聞く」

 --熱海市内も感染者が増えている

 「政府から業界ごとの感染防止に関するガイドラインが出ているが、旅館やホテルだけではなく、飲食店やスナック、カラオケ店なども、ガイドラインを徹底してもらわなければならない。市としても徹底するよう呼びかけたい」



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