東京の感染者最多に埼玉県も警戒、知事「首都圏で対応策統一を」




 東京都で16日に確認された新型コロナウイルスの感染者が過去最多の286人となったことに、隣接する埼玉県も警戒感を強めている。大野元裕知事は、人の行き来が盛んな首都圏4都県が一体となった取り組みを強化し、封じ込めに注力する構えだ。

 大野知事は16日、県庁内で記者団に「埼玉と東京は人的な往来が密接だ。最近は移動が活発な若者の感染も増えている」と述べ、都内での感染が波及することへの懸念を表明した。

 また、西村康稔経済再生担当相、小池百合子東京都知事らと17日にテレビ会議に臨むことを念頭に「1都3県の調整は大切だ。知事の間で対応策を統一したい」と強調した。

 さいたま市の清水勇人市長も16日の記者会見で、東京の感染者数について「かなり大きい数字だ」と語った。「市から19万人が都内に通勤、通学している」とも指摘し、市民に感染拡大防止の取り組みを徹底するよう呼びかけた。

 東京都内の状況に比例するように、埼玉県でも感染者増加の傾向は際立っている。10人未満で推移し続けてきた1日当たりの感染判明者数は、6月下旬から2桁の日が目立ち始め、今月8日、約3カ月ぶりに40人を超えた。以降、30~40人台が常態化しつつある。

 感染拡大に歯止めがかからず、第2波の到来が現実味を帯び始めているというのが埼玉県関係者の一致した見方だ。

 県は、感染の状況が「拡大期」に近いとして、病床数を現在の600から1千に引き上げることを視野に入れるなど医療提供体制の整備を急いでいる。一方で、若者を中心に感染が広がっている現状を踏まえ、若者の利用が多い通信アプリ「LINE」を活用し、濃厚接触の可能性がある人に通知するシステムも導入した。

 さいたま市では、キャバクラ店などでクラスター(感染者集団)の発生が相次いでおり、市は「新型コロナウイルス感染症対策チーム」を新設し、検査体制の拡充や保健所の機能強化を図ることを決めた。

(中村智隆)



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