防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は27日、約2000の地震データを学ばせた人工知能(AI)を用いた揺れの新しい予測手法を開発したと発表した。過去の地震データからつくった予測式と組み合わせる2段階方式で、データが少ないため苦手にしてきた震度7級など非常に強い揺れでも予測精度が向上した。
開発を担った久保久彦研究員は「地盤の構造など、複雑多様な情報をAIで解析できる」と利点を強調している。
大量のデータを読み込んで傾向を明らかにする「機械学習」という技術で、平成9~27年に国内で起きた地震の揺れのパターンをAIに学習させた。
震度7を記録した28年4月16日の熊本地震本震の観測記録と新手法による予測結果を比較したところ、機械学習だけでは過小評価されてしまう震源近くの非常に強い揺れなどを、もっと正確に予測することができた。これを含む28~29年の208地震での検証で、性能の向上を確かめた。