「ドラマ甲子園」16歳の女子高生が史上最年少大賞受賞





フジテレビの宇津井隆執行役員総合事業局長から賞状を渡される平野水乙さん=都内

 高校生対象の脚本募集企画で、フジテレビが2014年に立ち上げた「ドラマ甲子園」の第7回受賞者がこのほど発表され、神奈川県横浜市在住の高2、平野水乙(みお、16)さんが書いた作品「言の葉」(ことのは)が選ばれた。平野さんは同賞において史上最年少の大賞受賞者となる。

 十代の若い感性が紡ぎ出す“ドラマ甲子園”。今回は、昨年10月から今年6月上旬まで募集期間を延長したところ全国から多くの作品が寄せられた。大賞作品は、人付き合いが下手で友達ができない女子高生と言葉が話せない少女との心温まる友情物語を描いている。

 作品は、執筆者本人の演出でプロのスタッフ、俳優がサポート、出演しテレビドラマとして制作。これまではCS放送フジテレビTWOドラマ・アニメをメーンとしていたが、今年からはFODで配信し、CSでも放送する。

 大賞に輝いた平野さんは、幼い頃から物語を書き続けているが「あまり評価されていない気がしてセンスがないのかなあと思っていた」という。

 そこで、今回の朗報。「まさか大賞までもらえるとは…」と感激の様子で「言葉を伝える大切さを表している作品。“言葉”を漢字で書くと、言うに葉と書くので、葉っぱを使って言葉を伝えたら面白いんじゃないかと思って書いた。ドラマ制作では、自分の意見をしっかりと言うことを常に目標として頑張っていきたい」と初々しいコメントを残した。

 同局の鹿内植プロデューサーは「20年はコロナ禍により今まで当たり前のように過ごしていた日常が一変。この時期での募集で現役高校生たちが今、何を感じて、どんな作品を送ってきてくださるのか、個人的に興味があった」と前置きした上で「全体的には不安や人の命をテーマにしたものが多く見受けられ、このような時代だからこそ、前向きに物事を捉え、希望を見出している作品にキラリと光る魅力を感じた」と語る。

 具体的な選考理由については「16歳という大人でもなく、まわりが思っているほど子供でもない多感な感受性が強い時期に、平野さんが人とのコミュニケーションをリアルな感情とファンタジーで表現」とし、さらに「しっかりとした構成力と生き生きとしたせりふ。平野さんは特にSNSをフル活用する世代。そんな彼女が、敢えて口で言葉にし、手書きの言葉にこだわった点がとてもすてきな作品。今を生きる16歳の“監督”が直接伝える“言葉”の大切さをどう表現するか、映像として見たいと強く感じた」と期待を寄せた。

 平野“監督”は、夏休み期間中に行う撮影に向け準備に入り、キャストは順次発表していく予定。佳作は、大阪市在住の青葉美樹さん(19)による「アパシー記」が選ばれた。(産経デジタル)



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