来春に新入社員となる4人に1人が、複数社からの内定承諾を得たいと考えていることが、採用支援のマイリファー(東京都中央区)が実施したアンケートで分かった。新型コロナウイルス感染拡大で業績悪化の企業を中心に内定取り消しが相次いだことから、今秋の内定式の直前まで就職先を見極める動きが学生の間で広がっているようだ。
調査は7月8、9の両日、すでに企業から内定を得た大学生または大学院生を対象にインターネットで実施。403人から回答を得た。
何社から内定承諾を得たいかとの質問に対し、1社が65%と過半数を占めた一方、2社が18%、3社以上が7%あり、複数社の内定承諾が25%に達した。
複数社の内定承諾を考える人に理由を複数回答であげてもらったところ、「どの内定先が自分にあっているか決め手に欠けるから」が48・4%、「不景気による内定取り消しが不安だから」が45・1%、「選考スケジュールがずれている」が41・8%で、前年と様変わりした就職活動の影響が出ている。
調査に携わったマイリファーの鈴木貴史最高経営責任者(CEO)は「企業は学生に内定を出して終わりではなく、納得して選んでもらうための長期的な取り組みが必要」と指摘している。