「経済回復すべて自分の手柄 コロナは一切の責任負わず」オバマ氏がトランプ氏痛烈批判


「経済回復すべて自分の手柄 コロナは一切の責任負わず」オバマ氏がトランプ氏痛烈批判

 11月3日の米大統領選に向け、民主党のオバマ前大統領が21日、接戦州の東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで演説し、同党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)への支持を呼びかけた。選挙戦初となる応援遊説で、共和党のドナルド・トランプ大統領(74)を「前任者から引き継いだ経済(回復)はすべて自分の手柄にし、自分が放置した新型コロナウイルス危機については一切の責任を負おうとしない」などと、厳しく批判した。

 オバマ氏は、バイデン氏が予備選勝利を確実にした4月に支持を表明。陣営のオンライン資金集めのイベントなどには参加していたが、聴衆の前で応援演説するのは初めてだった。

 米国では、過去に大統領を務めた人物が、現職大統領を批判するのは控えるのが慣例だ。しかし、オバマ氏は医療保険制度改革(オバマケア)や地球温暖化対策のパリ協定、イラン核合意など自身のレガシー(政治遺産)的な政策をトランプ政権に破棄・転換されており、この日の演説は「史上最も直接的な現職批判」(CNNテレビ)となった。

 感染予防のため参加者が車内から演説を聞くドライブイン形式の集会で、オバマ氏はトランプ氏のウイルス感染に触れ「自分で基本的な感染予防策をとれない人間が、国民を守ることなどできない」と批判。トランプ氏の言葉が「社会の冷酷さや分断、差別主義を駆り立てている」と述べ「これから(投票日までの)13日間が今後数十年間を占うものになる」と訴えた。

 またバイデン氏は同日、地元デラウェア州の自宅で翌日のテレビ討論会への準備に時間を費やした。南部テネシー州ナッシュビルで開かれる討論会は、両候補の投票日前最後の直接対決となる。コロナ対策や人種問題など6テーマで各15分、計90分間にわたり論戦が展開される予定だ。

 一方、トランプ氏は21日、南部ノースカロライナ州ガストニアで支持者集会を開いた。「国民を脅すため、連中が口にするのはコロナばかりだ」と民主党や主要メディアを批判したうえで、国内の感染危機は終息に向かっていると強調。「政権2期目は記録的な経済繁栄になる」と語った。【ナッシュビル(米南部テネシー州)高本耕太】



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