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2025年に大阪市を廃止して4特別区に再編する「大阪都構想」の住民投票が11月1日に行われる。前回2015年は僅差で否決。大阪維新の会による2度目の挑戦を、地方自治の専門家はどう見るのか。旧自治省を経て鳥取県知事、総務相などを歴任した片山善博・早稲田大大学院教授に聞いた。(聞き手 共同通信=八島研悟)
―大都市制度の観点から見ると、大阪都構想はどう位置付けられますか。
2016年のリオデジャネイロ五輪閉会式を思い出してみると、リオ市長から五輪旗を受け取ったのは東京都の小池百合子知事でした。国が開催地になるサッカーW杯と異なり、五輪は都市で開かれる「都市の祭典」です。ところが、主な会場となる東京23区はそれぞれ別の自治体。区全体を統括するトップがいない東京のような例は、実は世界的には珍しいです。大阪市を廃止して特別区を設置する大阪都構想の住民投票は、この珍しいケースに加わるかを問うものといえます。