石破総理、退陣圧力の中なぜ続投を堅持するのか?政治ジャーナリストが分析

石破茂総理大臣への退陣圧力が強まる中、7月28日に開催された自民党の両院議員懇談会が大きな注目を集めました。石破総理はこの場で改めて続投の意向を表明。党内から辞任を求める声が相次ぐ状況下で、なぜ石破総理は続投の意思を明確に示したのでしょうか。本記事では、石破総理に直接取材できる関係性を持つ政治ジャーナリストの青山和弘氏の解説を基に、その背景と今後の動向を深く掘り下げていきます。

両院議員懇談会での発言と内閣支持率の現状

7月28日の自民党両院議員懇談会冒頭、石破総理は「政治空白を生むことがないよう責任を果たしていきたい」と述べ、改めて続投の意思を表明しました。これは退陣圧力が強まる党内に対し、自身の立場を明確にするものです。
退陣圧力が強まる中で続投の意向を表明した石破茂総理大臣の様子退陣圧力が強まる中で続投の意向を表明した石破茂総理大臣の様子

一方、森山裕幹事長は、選挙結果について「分析と課題の洗い出しを早急に行い、8月中をめどに報告書をとりまとめ、幹事長としての責任を明らかにしたい」と述べました。
自民党両院議員懇談会で発言する石破総理と森山幹事長(イメージ)自民党両院議員懇談会で発言する石破総理と森山幹事長(イメージ)

ANNの最新世論調査では、石破内閣支持率は31.6%、不支持は50.2%。「辞任すべきか」との問いには「思う」が46%、「思わない」が42%と拮抗しています。政治ジャーナリストの青山和弘氏は、自民党内で「石破総理が続投しても国会運営の展望が開けない」との見方が強いこと、国民民主党の玉木代表が「石破政権とは連立を組まない」と明言している点を挙げ、厳しい状況を解説します。
ANN世論調査による石破内閣支持率と不支持率の推移を示すグラフANN世論調査による石破内閣支持率と不支持率の推移を示すグラフ

石破総理が続投を固持する「責任感」と「戦い」の意識

なぜ石破総理は続投の意思を固くするのか。青山氏は石破総理への取材で「行き着くところまで行く。自分との戦いでもある」との発言があったと明かし、「責任を果たすため心を強く持たないといけないと、頑なになっている」と分析します。
退陣圧力が続く中で続投の意思を固持する石破総理大臣の姿退陣圧力が続く中で続投の意思を固持する石破総理大臣の姿青山氏によると、最近の石破総理は「誰かが俺を引きずり降ろそうとしている」と考え、「自分は続けるんだ」と強い調子で意志を固めているといいます。この状況は自民党内の「反石破勢力との戦い」のフェーズに入っており、「石破おろし」の動きに心が閉ざされ、辞任に追い込むのが非常に難しい状況です。

ナンバー2森山幹事長の動向が「ターニングポイント」に

このような状況下で、青山氏は「森山幹事長であれば、石破総理を止める可能性がある」と語ります。森山幹事長は、上の者の言ったことを忠実に守る典型的なナンバー2であり、石破総理からも厚い信頼を置かれています。
懇談会冒頭で森山幹事長が「幹事長としての責任を明らかにしたい」と述べたことは重要です。もし彼が辞任した場合、全面的に頼ってきた石破総理は「森山幹事長が辞めるなら自分も苦しい」と認識する可能性があります。
青山氏は、森山幹事長が「総理も一緒に辞めてください」と進言するか否かが、今後の石破総理の去就を決定づける「大きなターニングポイントになる」と強調しています。

結論

石破総理の続投の意思は固く、その背景には「政治空白」を避けるという強い責任感と、「反石破勢力」との「戦い」という独自の認識があります。国民の支持率が低調で党内からの退陣圧力が続く中、石破総理の去就は、今後、森山幹事長の動向、特に彼が「総理も一緒に辞めてほしい」と進言するかどうかが大きなターニングポイントとなるでしょう。

参考文献

  • 情報元: Yahoo!ニュース (朝日放送)
    https://news.yahoo.co.jp/articles/c0bfe0bc4e33be3fd7b23cfc743265b75a232099