大分県外産の和牛をブランド牛「おおいた和牛」と産地を偽って販売したとして、大分県は30日、大分市の食肉販売業者「ヨシモリ」(吉森千利社長)を食品表示法に基づき行政指導した。偽装された牛肉は同県佐伯市のふるさと納税の返礼品となっていたが、ふるさと納税は年末にかけて駆け込みの納税者が増える傾向にあり、同社は「ふるさと納税の受注が急激に増え、仕入れが間に合わなかった」と釈明しているという。
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県は九州農政局から情報提供を受け、今年6月から約4カ月にわたって同社を立ち入り検査していた。和牛の個体識別番号などから、少なくとも2019年1月からの2カ月間と、20年1月からの1カ月間に、県外産の和牛を「おおいた和牛」と偽装していたことが判明。シャトーブリアン、ヒレなど約230キロをふるさと納税の返礼品の取扱業者に販売していた。
偽装された返礼品は▽おおいた和牛A4ランク以上シャトーブリアン(約100グラム4枚)納税額4万8000円▽同ヒレステーキ(約100グラム8枚)納税額6万6000円――など。佐伯市は「偽装された肉の提供先を調査し、寄付者には適切な対応をしたい」としている。【河慧琳】