人気アイドルグループ「timelesz」のメンバーである篠塚大輝が、11月18日放送の『めざましテレビ』で披露したギャグが、インターネット上で大きな議論を巻き起こしています。童謡「大きな古時計」の替え歌で、「いまは もう うごかない おじいさんにトドメ～」という内容が「不謹慎だ」と批判され、さらに芸人・鼻矢印永井のネタをそのまま使用したとして、炎上は激しさを増しました。しかし、この騒動は単なる一過性の炎上として片付けられるべきなのでしょうか。本記事では、篠塚のギャグが引き起こした波紋の深層と、彼のアイドルとしての立ち位置や真摯な人柄に焦点を当て、その背景を考察します。
「不謹慎」か「過剰反応」か：ギャグ騒動の深層
篠塚大輝が『めざましテレビ』で披露した「おじいさんにトドメ～」というギャグは、確かに朝の情報番組で扱うには配慮を欠いた内容であり、現役の一橋大学生という立場から見ても、その選択は不用意だったと言えるでしょう。このギャグがネット上で即座に批判の的となり、芸人のネタの「丸パクリ」であると指摘されたことで、篠塚へのバッシングは一層強まりました。
しかし、このギャグに対する過度な反応は、果たして妥当なものなのでしょうか。篠塚自身に「動かないおじいさんにトドメを刺す」という悪意があったとは考えられず、むしろそれが道徳的に「いけないこと」だと理解しているからこそ、笑いが生まれると判断した可能性が高いです。つまり、彼の中では「常識的な判断」が働いていたがゆえの選択だったとも言えます。このように考えると、彼のギャグに対して目くじらを立て、過剰に反応する人々こそが、実は「常識」や「想像力」に欠けているのではないかという皮肉も生まれてきます。
「timelesz」における篠塚の立ち位置と人柄
今回の騒動は、timeleszにおける篠塚大輝の立ち位置にも光を当てました。一部のファンからは、「歌もダンスも下手なくせに」といった、アイドルとしての未熟さを指摘する声も上がっています。もしこうした批判が彼の耳に届いていたとしたら、生放送という大舞台で「爪痕を残したい」と強く思うのは自然なことです。グループ内での自身の役割を明確にし、アイドルとして何かしらのインパクトを与えたいという切実な思いが、あのギャグ披露へと駆り立てたのかもしれません。
アイドルグループ「timelesz」のメンバーである篠塚大輝の公式インスタグラム画像
過去のインタビューからも、彼の真面目で自己分析的な人柄がうかがえます。『non・no』2025年11月14日配信の記事で、篠塚は「僕はよくビッグマウス的な発言をしますが、それは『口に出したからには』と自分を追い込むため」と語っています。また、「ライブ映像を見返すと、（猪俣）周杜や（橋本）将生は常にカッコいい顔をしているのに、僕だけ必死に“運動会”みたいな顔をしていて。そんな表情管理をはじめ、まだまだ課題だらけだと思うばかり」とも述べています。これらの発言から、篠塚が決して安易な気持ちでアイドル活動をしているのではなく、客観的な視点を持って自身の課題と向き合い、真剣に生き残り方を考えている人物であることが分かります。
結びに
篠塚大輝のギャグ炎上騒動は、表面的な「不謹慎」という批判だけでなく、彼のアイドルとしての葛藤や真摯な努力という背景が複雑に絡み合っていることが見えてきました。朝番組での表現としては不適切だったかもしれませんが、その根底にはグループに貢献したい、自分らしさを確立したいという純粋な思いがあったのではないでしょうか。今回の騒動を通して、私たちはエンターテインメントにおける表現の自由と、それに対する受け手の多様な解釈、そしてSNS時代の批判のあり方について、改めて考える機会を与えられたと言えるでしょう。
