【AFP=時事】米国の大統領選挙は4年ごと、11月第1月曜日の次の火曜日に実施される。米大統領選の流れについて解説する。
【図解】選挙人団で決まる米大統領
■投票制度
普通選挙権が認められている投票は、全米50州と、どの州にも属さないコロンビア特別区(District of Columbia、首都ワシントン)で、1回のみ実施される。
有権者は大統領・副大統領候補のペアを選び、一般投票の結果によって、選挙人団が決まる。選挙人団はどのペアを支持するかを誓約している。
■選挙人団
米大統領選は、一般投票による直接選挙制ではなく、大統領を選ぶ任を負う選挙人への間接選挙制を採用している。
選挙人の総数は538人で、各州の人口に基づき割り当てられている。
各州の選挙人数は州の下院議員と、各州の上院議員(どの州も2人)の合計に等しい。コロンビア特別区の選挙人は3人が割り当てられている。
最も人口が多いカリフォルニア州の選挙人は最多の55人、次いでテキサス州が38人、ニューヨークとフロリダ両州がそれぞれ29人となっている。一方、選挙人数の少ない州はアラスカ、デラウェア、バーモント、ワイオミングで、各3人。
■当選するには
大統領に当選するには、538人の選挙人の過半数に当たる270人以上を獲得しなければならない。
全50州のうち2州をのぞき、各州の一般投票で最も票を集めた候補者がその州すべての選挙人を獲得する「勝者総取り方式」を採用している。
ネブラスカ州とメーン州は、候補者間で選挙人を分割できる方式になっている。一般投票により2人の選挙人が選出され、残りの選挙人は下院議員の選挙区ごとの一般投票によって選ばれる。
「勝者総取り方式」は民主・共和の二大政党以外の候補者の勝利を非常に難しくしているものの、二大政党以外の候補者であっても特定の州の選挙結果に重大な影響を与えることは可能で、ひいては全体の結果にも影響を及ぼすことになる。
■スイングステート
歴史的に民主党が強い州と共和党が強い州がある。このため候補者は、どちらの党の支持か定まっていない州での選挙活動に力を入れる。しばしば最終結果を左右するからだ。
中でも重要な州は「激戦州」または「スイングステート(変動する州)」と呼ばれ、選挙人数が多いフロリダ(29人)、ペンシルベニア(20人)、オハイオ(18人)などが含まれている。
■これまでとは違う年
今年の大統領選は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)という特殊な状況下で行われる。対面での選挙活動は中止となり、投票所ではソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)のガイドラインに従うことが求められる。
新型コロナの感染拡大の恐れから、投票所で人が密集するリスクを回避する方法として郵便投票への関心が高まっている。
規則は州により異なるが、不在者投票または郵便投票については、投票日である11月3日までの消印がなければならない。【翻訳編集】 AFPBB News