地域政党「大阪維新の会」が推進してきた「大阪都構想」の住民投票は、再び反対多数となった。
【図解】大阪都構想住民投票、主な政党支持層の賛否
市内のホテルで記者会見した松井一郎代表(大阪市長)は「これだけ大きな問題提起ができたことは政治家冥利(みょうり)に尽きる。敗因は僕の力不足だ」と吹っ切れた様子で語った。
松井氏は、2023年の市長の任期満了をもって政界を引退することも表明。「やることをやった。全く後悔はないしこれ以上できない。心が晴れている気持ちだ」と笑顔を見せた。
ただ、共に会見した吉村洋文代表代行(大阪府知事)は「僕自身の力不足だ。反対派の方が熱量が強かった」と、堅い表情を崩さないまま。今回賛成に回った公明党の佐藤茂樹府本部代表も「短期間で隅々まで支持者に理解させることができなかった」と淡々と述べるのみだった。
一方、都構想に反対した自民党大阪府連。大塚高司会長は「大阪市廃止を阻止できたことに本当に安堵(あんど)している」と述べた。党市議団の北野妙子幹事長は笑みを浮かべ、「住民サービスが低下するから住民投票があると言い続けてきたことが浸透した」と勝因を語った。
共産党の山中智子市議も市内で会見し、「百害あって一利無しの制度が通るはずがないと確信していた」と感極まった様子で話した。立憲民主党の辻元清美大阪府連共同代表は「対立と分断から対話と協調のまちづくりへと転換を図っていくべきだ」とのコメントを発表した。