大阪都構想否決 維新「第2の牙城」兵庫では…


大阪都構想否決 維新「第2の牙城」兵庫では…

 大阪都構想が再び否決され、日本維新の会代表、松井一郎大阪市長の政界引退表明から一夜明けた2日、兵庫県内の維新関係者は、候補擁立を目指す来年の県知事選などに向けて戦略の練り直しを迫られた。首長選への維新参戦に備える自民党は、賛否が拮抗した結果に「維新の脅威は続くはず」となおも動向を警戒。選挙が予定される阪神間の首長は「維新の勢いに影響が出る」と受け止め、兵庫県の井戸敏三知事は評価を避けた。

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 「大阪の追い風に甘えず、自力で選挙を勝ち抜く力をつけなければならない」

 2日未明、神戸市中央区の維新の兵庫県総支部。松井氏らの“敗戦”会見を見届けた県内の地方議員らは緊急会合を開き、総支部の室井邦彦代表が結束を呼び掛けた。

 県内の維新は、昨春の統一地方選などを経て、大阪に次ぐ「第2の牙城」として兵庫で足場を固めてきたが、首長は1人もいない。来年は知事選や神戸市長選のほか、宝塚、伊丹市などの首長選も控え、党勢拡大の好機でもあるだけに「旗印を失った党の存在意義の見直しから始めなければいけない」と焦りの声が漏れる。

 これに対し、同じ政令市のつながりで神戸市議らが都構想反対の運動を支援した自民県連は警戒を緩めていない。ある県議は「維新の勢いに影響はあるだろうが限定的ではないか」と指摘。「県内では浸透しており、すぐに弱まるとは思えない」と気を引き締める。

 一方、来春に任期満了を迎える宝塚市の中川智子市長は、維新の今後について「政府への影響力や県知事選なども含め、今回の(住民投票の)結果が影響してくるだろう」と推測。伊丹市の藤原保幸市長は、二重行政の解消や広域行政を目指した都構想を評価しつつ「維新が求心力を失うことは避けられない。現状で伊丹、宝塚市長選に対立候補を擁立できるかは未知数だ」とけん制した。

 5期目の任期満了まで1年を切った井戸知事は2日の定例会見で、東京一極集中の対抗軸として期待を寄せた大阪都構想の「結果には残念」と言及。ただ、知事選を含めた維新の今後の動向には「コメントする立場にない」と評価を避けた。



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