秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣になられたことを国内外に示す「立皇嗣の礼」が8日、皇居で行われた。
【写真】立皇嗣宣明の儀でお言葉を述べられる天皇陛下
天皇の弟を皇嗣と宣言する憲政史上初の儀式。上皇さまの退位、天皇陛下の即位に伴う国の儀式はこれで全て終わった。
中心儀式「立皇嗣宣明の儀」は、国事行為として、宮殿「松の間」で午前11時すぎから始まった。天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻、9人の皇族方のほか、三権の長や閣僚、地方自治体の代表、外交団長ら46人が参列。陛下は「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」、秋篠宮さまは「黄丹袍(おうにのほう)」の装束姿で臨んだ。
陛下が「文仁親王が皇嗣であることを、広く内外に宣明します」と述べた後、秋篠宮さまが「皇嗣としての責務に深く思いを致し、務めを果たしてまいりたく存じます」と決意を述べた。この後、菅義偉首相が「一同心からお祝い申し上げます」と祝辞の「寿詞」を述べた。
同11時25分ごろからは、宮殿「鳳凰の間」で、皇室に代々伝わる皇太子の守り刀「壺切御剣」を陛下が秋篠宮さまに授ける行事が行われた。その後、秋篠宮さまは皇居・宮中三殿に馬車で移動し、同妃紀子さまと共に宣明の儀を挙げたことを報告する儀式に臨んだ。
午後4時半すぎからは再び松の間で、「朝見の儀」が国事行為として行われた。秋篠宮さまが両陛下に感謝の言葉を述べ、陛下は「皇嗣としての務めを立派に果たしていかれるよう願っています」、皇后さまは「これからもお健やかにお務めを果たされますように」と述べた。
両陛下とご夫妻は杯を交わし、箸を立てる所作をした後、両陛下からご夫妻にお祝い品の服地の目録が渡された。
終了後、ご夫妻は仙洞仮御所(東京都港区)を訪れ、上皇ご夫妻にあいさつし、赤坂御用地の宮邸に戻った。
立皇嗣の礼は4月19日に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期された。感染防止のため、「宣明の儀」は人数を当初予定から約300人減らし、両陛下、ご夫妻と首相以外はマスクを着用。祝宴「宮中饗宴の儀」や、お祝いの記帳は取りやめとなった。儀式終了を報告する伊勢神宮などへの参拝は当面延期する。