韓国のカカオモビリティーと仁川空港が模範企業に…OECDが称賛した理由


公的マスク販売所が表示されたカカオマップ。[OECD ITF 'Private Sector Companies in the Fight against Covid-19]
公的マスク販売所が表示されたカカオマップ。[OECD ITF 'Private Sector Companies in the Fight against Covid-19]

経済協力開発機構(OECD)がカカオモビリティー(以下カカオT)と仁川(インチョン)国際空港公社を世界で最も模範的な企業のひとつに選んだ。新型コロナウイルスの感染拡大にともなう危機対応、社会的責任と関連してだ。

◇コロナ危機で打撃大きい交通分野の企業が社会貢献に一肌脱ぐ

OECD傘下の国際交通フォーラム(ITF)は民間交通分野で新型コロナ危機克服の模範を見せた企業15社を選定し、危機対応集「Private Sector Companies in the Fight against Covid-19」をこのほどまとめた。選ばれた企業はエアバス、アルストーム、バード、エクソンモービル、ミシュラン、SNCF、トータル、ウーバー、ボルボなど世界有数の企業にカカオTと仁川国際空港公社が含まれた。

これら企業は「マスクのような日常呼吸器予防用品から医療機器、重患者輸送、医療従事者に対するサービス提供のような広範囲な分野で社会貢献活動を展開した」というのがOECDの説明だ。特に交通分野は移動性(モビリティ)を根幹とする。したがって新型コロナウイルス危機に最も大きな影響を受ける。OECDは「一方では危機克服に向け寄与できる多様な社会・経済的方策があるという事実をこれら企業が見せた」と指摘した。

◇カカオT、大邱のタクシーに高微粒子空気フィルター装着

OECDのITFによると、カカオTはカカオマップとナビゲーションに選別診療所とドライブスルークリニックの位置を表示し速やかに市民に提供した。610カ所の検診クリニックと73カ所のドライブスルークリニックの位置情報が提供された。また、呼吸器と非呼吸器患者を分離・治療する公立救護病院343カ所に対する情報も提供した。特に新型コロナウイルスの感染拡大傾向が深刻だった大邱(テグ)ではカカオTブランドのタクシーにHEPAフィルター(高効率微粒子空気フィルター)を設置し、市民の健康を維持する機敏さを見せた。マスク不足が起きた時は韓国政府と健康保険審査評価機関で提供する購入先にデータとアプリケーションを提供した。

仁川国際空港公社はスマートチームが主軸になりロボット技術を活用して移動が不便な乗客を輸送するサービスを出した。また、3月からが空港の入国場、出国場の保安区域、搭乗ゲートなどで3段階の体温チェック手続きを稼動し、機内でのウイルス感染にともなう他国への感染を防止してきた。人工知能(AI)を活用した航空交通管制プラットフォーム構築に着手し、航空管制(ATC)要員にスマート時代に合わせた新しい業務方式を導入中だ。

◇グローバル企業、保健医療陣への無償交通・食料提供に移動式病院まで

このほかの外国企業は激務に苦しめられる保健医療人材に対するサービスを提供し、必要であれば直接マスクのような医療用品を生産して供給するなど新型コロナ危機状況で社会的責任を全うした。

フランス国有鉄道のSNCFは移動式病院装置を設置した高速列車で列車病院を運用した。この列車は病床が飽和状態の地域で回復中の患者を集中治療施設に余裕がある地域に待避させるのに活用した。パリ中心地の公共交通企業であるRATPグループは保健人材の円滑な移動のため駅と主要病院の間に20の特殊路線を運営して無料で提供した。

◇トータル、医療陣に5000万ユーロ相当のガソリン供給

原油生産企業のトータルは医療陣と病院スタッフに最大5000万ユーロ相当のガソリン バウチャーを提供した。ウーバーは米国で2万5000人の医療従事者に無料の食事と割引されたウーバー利用サービスを提供した。ボルボはショールームにあった車両を動員して欧州全域の医療従事者の通勤を支援し、自動車サプライチェーンを活用して医療保護装備を供給中だ。

電気バイクシェアサービスのバードは医療陣と救急要員に無料で電気スクーターを提供する一方、イタリアのトリノでは赤十字社にスクーターを貸し出して高齢者と自宅隔離中の新型コロナ患者に食べ物と医薬品を提供するようにした。

◇電気スクーター提供、フェイスシールド、人工呼吸器製造し供給も

エアバスは英国の主要エンジニアリング企業とコンソーシアムを構成して医療用人工呼吸器を生産し医療センターに普及させた。アルストームはスペイン、ブラジル、米国、フランスで3Dプリンターを使ってフェイスシールドを製造して供給し、公衆保健危機対応予算として1900万ユーロを配分した。エクソンモービルはマスク不足を解決する再使用マスクを開発して供給し、ミシュランはプラスチックマスクを開発して毎週100万枚ずつ供給した。



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