国重文、「雪囲い」外すと突如ツートンカラー…塗り直したが来春も心配


国重文、「雪囲い」外すと突如ツートンカラー…塗り直したが来春も心配

 福井県池田町の国重要文化財「堀口家住宅」の土壁の「色」が関係者の頭を悩ませている。約5年前の大規模修理の後、冬に備えて壁をトタンで覆っていた「雪囲い」を外すと、突如ツートンカラーに変色していた。調査するも原因は不明で、今年の修理でようやく本来の色を取り戻したものの「雪囲い」の時期が近付いており、「また変色しては大変」と気をもんでいる。(橋野薫)

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 堀口家住宅は江戸時代初期の建築と推定される古民家で、1969年に重文指定された。前回の修理は、かやぶき屋根のふき替えや土壁の塗り直しなど2年がかりの大規模なもので、2014年秋に完了。春になって雪囲いを外すと、覆っていた部分が赤茶色に変色し、それより上は元の灰色がかった黄色と、くっきり2色に分かれてしまった。それまでも雪囲いにトタンを使っていたが、変色することはなかったという。

 ツートンカラー問題は町議会でも取り上げられ、塗り直すこととなったが、町教委は工事に際し、原因を突き止めようと、群馬県内の研究所に変色した土の成分分析を依頼。その結果、水分とともにマンガンが表面に集まり、酸化して赤茶色に変色したと考えられるが、その理由までは突き止められず、報告書は「(変色の)発生機構などについては今後の課題である」と結んでいる。

 今回の修理は、変色した部分を削り、残った土や淡路島から取り寄せた土などを混ぜて塗り直した。塗る前に数パターンの土を作り、風通しの違いも含めて実験したが、どれもほとんど変色しなかったという。

 今冬に向けた雪囲いは、トタンより風通しの良い竹のすだれを用いる予定だが、堀口家住宅の向かいに住み、管理をしている堀口和義さん(68)は「雪囲いを外す来春には壁の色はどうなっているのか」と不安そうに話している。



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