菅義偉首相は14日夜、日米中韓露と東南アジア諸国連合(ASEAN)など18カ国による東アジアサミットにオンライン形式で参加した。沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国を念頭に「東シナ海では日本の主権を侵害する活動が継続している」と述べて懸念を表明した。南シナ海についても「緊張を高める行動や国連海洋法条約に整合しない主張が見られる」と指摘した。
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菅氏は法の支配などを重視する「自由で開かれたインド太平洋」構想に言及したうえで、構想に基づきASEAN各国と連携を強めていく考えを強調した。南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする中国の主張を退けた2016年のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断にも言及し「判断は最終的で、紛争当事国を法的に拘束するものだ」と指摘。中国に関しては、香港への統制を強化する「香港国家安全維持法」への重大な懸念を改めて表明した。
来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックについては「人類が疫病に打ち勝った証しとして開催する」と述べ、安全・安心な大会の実現に全力で取り組む考えを示した。オンライン形式で開かれた会議には、米国からはトランプ大統領に代わってオブライエン大統領補佐官が参加。ロシアはプーチン大統領、中国は李克強首相がそれぞれ参加した。【青木純】