各地でクマ被害が深刻化する中、駆除への苦情が急増している。特に北海道のヒグマ対策室には批判が殺到。この状況に、カンテレ番組「ドっとコネクト」で専門家が見解を示した。
北海道ヒグマ対策室への苦情、10日で120件超
23日のカンテレ「ドっとコネクト」は、各地でクマによる深刻被害が出る中、北海道ヒグマ対策室に苦情が殺到していると報じた。10日間で120件以上の苦情があり、その大半は人間に危害を加えるクマの駆除を非難する内容だという。人里での安全確保と動物愛護の精神の間で、深刻な対立が浮上している現状が示された。
カンテレのテレビ番組「ドっとコネクト」のスタジオでヒグマ対策について議論する出演者
専門家たちの見解:人里の現実と感情論
番組に出演した俳優の石原良純氏は、クマの駆除への苦情について言及。「知床のケースは自然との共生もあって少し別だと思うが、人里で人間に危害を加えているクマの扱いは変わってくるのは残念ながら現実」と指摘。苦情を寄せる人々に対し、「自分の町にクマが出たらどうするのか?」と問いかけ、現場の厳しい実情への理解を求めた。
八代英輝弁護士は、「動物愛護の精神は野生動物にも適用されるが、人を襲うようになったクマ、人のエリアに侵入するクマは、駆除せざるを得ない」と強調。これは「感情論だけでは判断できない苦渋の判断」であり、その理解を求めた。住民の安全確保の観点から、冷静な対応が必要だと訴えた。
石井亮次アナウンサーは石原氏に共感を示し、「自分の家の前にクマが出たらどうするのかとなる。これ誰が電話しているのか?」と疑問を呈した。安全な場所からの安易な批判に対し、問題の根深さを改めて浮き彫りにした。
結論:共存と安全確保のバランスを模索
クマ被害と駆除への批判は、野生動物との共存という現代社会の複雑な課題を示す。専門家たちは、動物愛護と住民の安全確保のバランスの難しさ、そして感情論を超えた現実的判断の必要性を強調する。今後も、この問題は適切な共存の道を模索するための重要な議論となるだろう。
参考文献
- カンテレ「ドっとコネクト」 (2025年8月23日放送)
- Yahoo!ニュース(https://news.yahoo.co.jp/articles/ff79e2888e239cbdd8969335132b837e3e27e51d)