帝国主義時代の日本による加害者側の歴史を厳しく批判した日本人作家の故松田解子氏(1905~2004)が、在日朝鮮人の民族教育を弾圧した日本政府に対し、抗議した文書が発掘された。
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全南科学大学校のキム・ジョンフン教授は19日、「韓国から見た故松田解子氏の生涯と文学の世界について考察作業中の関連文書を解読した」と明らかにした。
文書は、故松田解子氏が1966年5月に執筆した「民族教育を守ろう」というタイトルのルポルタージュだ。
故松田解子氏はこのルポルタージュを通じて、当時「在日朝鮮人の人権を守る会」のメンバーたちとともに朝鮮人の人権向上について連帯した活動を紹介した。
故松田解子氏は文書で「在日朝鮮人の民族教育がどれだけ正当か、なぜ私たち日本国民は、これを弾圧しようとする政府に抗議すべきか」と訴えた。
キム・ジョンフン教授は「今も日本政府によって高校授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外する差別の現実などを考慮すると、故松田解子氏がルポルタージュで訴えた内容は、未だに説得力を持つ」と述べた。
故松田解子氏が、日本国内において朝鮮学校の民族教育を評価する感想文も発見した。
1955年5月、故松田解子氏が東京体育館を訪れ、在日朝鮮人の生徒たちによる伝統舞踊などを見て書いた感想文だ。
故松田解子氏はこれを1966年12月に「立派な団結の力」というタイトルで、進歩系日刊紙に公開した。
故松田解子氏は、感想文の冒頭に在日朝鮮人生徒の公演に感動したとして、「朝鮮民族が従来から持ち合わせていた伝統的な創造性を現在革新的に継承している」と明らかにした。
最後の部分には、「舞台の最後に日本と朝鮮半島の人々との友好の喜びが美しく描かれて、心が穏やかになった」と告白した。
キム・ジョンフン教授は「現在、韓国国籍の多数の在日同胞の生徒が、民族教育を受けるために朝鮮学校に通っている」とし「在日同胞は、日本政府と既得権勢力が差別政策を広げて、帰化を勧める日本社会であらゆる苦難を経験しながらも、朝鮮民族の言語と舞踊、伝統文化を固守している。故松田解子氏は、早くもこれに注目して評価した」と説明した。