【ワシントン時事】米大統領選で民主党のバイデン前副大統領(78)の勝利が確定する期限が迫り、共和党のトランプ大統領(74)が抵抗を一段と強めている。
【図解】両候補の獲得選挙人(全州確定)
各州で進める訴訟や再集計の申し立てが行き詰まり、次は大統領を正式に選ぶ選挙人投票に照準を定め、結果を覆そうとしているという見方が広がる。
南部ジョージア州で続いていた約500万票の手作業の再集計は19日終了。トランプ陣営の「大規模な不正」の訴えにもかかわらず、バイデン氏の勝利は動かなかった。
トランプ氏はこの日もツイッターで民主党の「不正」を並べ立て、弁護団のジュリアーニ氏は「全国的な陰謀」の存在を主張。これに対し、バイデン氏は「私たちの国のありようについて恐ろしいメッセージを送っている」と敗北を認めない姿勢を非難した。
こうした中、ニューヨーク・タイムズ紙などは、トランプ氏が12月14日の選挙人投票で一般有権者の投票結果に反して自身を選ばせることを検討していると報じた。ミシガンやペンシルベニア、ウィスコンシンなどトランプ氏が敗れ、共和党が議会で主導権を握る激戦州が念頭にある。
大統領選は、一般有権者の投票で選ばれた選挙人が大統領を最終的に選出する。通常、選挙人は州知事が最終的に認定するが、それとは別に、議会に別の選挙人を認定させて、正当性を主張すると予想されている。
各州は12月8日までに一般投票の結果を確定し、選挙人を認定するが、トランプ氏はこれに論争を仕掛ける方針。米メディアによると、今月23日に選挙結果を確定するミシガン州では、トランプ氏自ら郡の選挙管理人に電話するなど圧力をかけているという。
トランプ氏は20日、共和党のミシガン州議会議員をホワイトハウスに招待する予定で、選挙人選定に向けた対応を協議するとみられる。選挙人投票は来年1月6日の上下両院合同会議で開票されるまで手続きが続き、論争を長引かせるのが狙いとみられるが、結果が覆るとみる向きはほとんどない。