【ワシントン=黒瀬悦成】米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアの連邦控訴裁(高裁)は27日、民主党のバイデン前副大統領が勝利した同州の大統領選の結果に関し、選挙結果を確定させないよう求めるトランプ大統領の弁護団の訴えを棄却した地裁の判断を支持する判断を下した。
AP通信によると、審理にあたった3人の判事は、「トランプ陣営による(同州で大規模な不正があったとする)主張は評価に値しない」と指摘。「選挙が不正だと主張するだけでは、不正があったことにならない。具体的な申し立てと証拠が必要だが、どちらもない」と断じた。
トランプ弁護団の一人はこの日の判断を受け、ツイッターで「ペンシルベニアの司法機関の活動家たちが大規模な不正の疑惑を隠蔽し続けている」と主張し、最高裁に上告する考えを明らかにした。
地裁判断を支持した3人の控訴裁判事はいずれも歴代共和党大統領に指名され、うちトランプ氏に指名されたビバス判事が判断理由の文書を作成した。
最高裁は全ての上告を受理するわけではなく、今回の訴訟が受理されるかは定かでない。
ペンシルベニア州政府は24日、バイデン氏がトランプ氏に8万票以上の差をつけて勝利したとの選挙結果を正式に確定した。