
世界最大の日用雑貨卸売市場があり「100円ショップのふるさと」と呼ばれる中国・浙江省義烏(ぎう)市。中国経済は新型コロナウイルスの打撃からV字回復したとされるが、現地を訪ねると、コロナ禍前は1日約20万人のバイヤーが訪れた巨大問屋街が、シャッター街と化していた。「淘汰(とうた)の季節」を耐え抜こうと、インターネットに活路を見いだす人々の姿もあった。
【写真】コロナ禍以前は、1日20万人のバイヤーが訪れていた
全長約2・5キロ。ショッピングモールをいくつも連結したような建物が一面に広がる。義烏国際商貿城。約7万5千の卸売業者が入居し、世界210カ国・地域との年間取引額が1500億元(約2兆4千億円)超という問屋街だ。
1年前に日本から出張で訪れた際は、4平方メートルほどの小さな店が通路を挟んで密集し、天井から床まで商品を並べた店先は欧州やアフリカから買い付けに来た人でにぎわっていた。それが今は同じ場所と思えないほど閑散とし、シャッターを下ろした店が多い。