今年7月15日午前、ソウル蘆原区(ノウォング)の中溪近隣公園で開かれた2020蘆原区雇用博覧会で市民が参加会社リストを確認している。 ウ・サンジョ記者
雇用が9カ月連続で減った。1990年代後半の通貨危機以降で最も長い雇用寒波だ。
統計庁は16日、こうした内容の「雇用動向」を発表した。11月の就業者数は2724万1000人で1年前より27万3000人減少した。9月の39万2000人、10月の42万1000人より減少幅は縮小したが、楽観する状況ではない。新型コロナウイルスの第3波を反映していない数値のためだ。就業者数は3月から9カ月連続で減った。通貨危機が迫った98年1月~99年4月の16カ月以降で最も長い期間だ。
見通しは依然として暗い。統計庁のチョン・ドンミョン社会統計局長は「12月の雇用動向調査期間は13日から19日まで。全国的な新型コロナウイルス感染拡大傾向、社会的距離確保の引き上げなどの変数が作用し、12月の雇用統計も良くなりはしないだろう」と話した。
12月以降がさらに問題だ。コロナ第3波の衝撃は第1波と第2波の水準を超える見通しだ。新規感染者数が1000人を上回り、政府が社会的距離確保3段階への引き上げるかどうかを天秤にかけているためだ。3段階に上がれば必須施設以外すべての店が営業を停止しなければならない。自営業の割合が高い韓国の雇用市場に激しい打撃が行くほかない。
11月の産業別統計では、自営業者が集まっている卸小売・宿泊・飲食店業で衝撃が依然として大きく現れた。前年比で就業者数が32万8000人減少した。10月の41万5000人減よりましになったが減少幅は依然として大きい。製造業も11万3000人減で新型コロナウイルス被害圏に入った。穴を埋めたのはほとんどが政府が予算を投じて臨時に作った財政雇用だ。公共行政・国防・社会保障行政で15万2000人、保健・社会福祉サービス業で11万4000人、建設業で7万7000人など就業者が増えた。
非賃金労働者のうち雇用者がいる自営業者は11万5000人、無給家族従事者は4万5000人減った。雇用者のいない自営業者は5万5000人増加した。景気が悪く従業員を解雇して1人で店を運営する社長が増加しているという意味だ。年齢帯別では60代以上で37万2000人増えたのを除き全年齢帯で就業者数が減った。中でも15~29歳の青年層雇用が24万3000人で最も多く減った。新型コロナウイルス流行で新規採用が急減した上に、影響が集中した卸小売・宿泊・飲食店の臨時雇用に青年層が集まっているためだ。
11月の失業率は前年同月より0.3ポイント上昇した3.4%だった。青年層失業率は8.1%で全体平均の2倍を超えた。青年層の拡張失業率は24.4%を記録した。青年の4人に1人は事実上失業状態に置かれているという意味だ。
危機が長期化して経済活動を断念する人も増加している。11月の非経済活動人口は1667万5000人で前年比43万1000人増えた。このうち最初から働き口を求めることをあきらめた求職断念者は63万1000人で14万4000人増加した。新型コロナウイルス第2波の衝撃が激しかった9~10月の11万人台より増えた。ただ休んでいると答えた人も1年前より21万8000人増加した235万3000人を記録した。2003年に関連統計を変更してから11月基準では最も多い。
ソウル大学経済学部のキム・ソヨン教授は「雇用は後行指標で、景気が瞬間的に良くなったからと増える性格ではない」と指摘した。その上で「政府の対策が生産を増やすことと関係のない、単純に数字を増やすための公共雇用にばかり集中しているが予算浪費かもしれない。雇用不況が長期化する可能性が大きいだけに、具体的な効果がすぐに現れないとしても生産増加につなげられる所に雇用予算を投資するべき」と助言した。