韓経:「中国製は信じられない」…韓国造船業界が受注独占


上半期の造船業界の雰囲気は暗鬱だった。新型コロナウイルスの余波で世界の船舶発注量は過去最低に落ち込んだ。1997年の通貨危機、2008年の金融危機当時より少なかった。造船会社のドックががら空きとなる手持ち工事量不足が現実化し造船業の生態系が崩壊するという懸念も出てきた。

だが韓国造船大手3社は11月以降に集中した受注で反転に成功した。世界市場を支配している液化天然ガス(LNG)船だけでなく、超大型原油運搬船(VLCC)を一気に獲得し中国と日本を抜いた。高付加価値船舶市場ではまだ中国との技術格差が大きいことを証明したと分析される。

◇現代重工業、受注目標91%達成

27日の造船業界によると、今年の受注目標達成率は現代重工業グループが91%、大宇造船海洋が75%、サムスン重工業が65%と集計された。昨年の82%、82%、91%と比較しても大きく落ち込んでいない水準だ。

現代重工業グループが10月に今年の受注目標を157億ドルから110億ドルに調整したが、新型コロナウイルスの余波を考慮すれば良好な成績というのが業界の評価だ。特にサムスン重工業は1カ月間で44億ドル相当を受注し今年の受注目標達成率を15%から65%に引き上げる底力を発揮した。

造船3社の底力は受注内容で明らかだ。LNG運搬船、VLCCなど高付加価値船種が牽引した。世界の造船・海運調査機関クラークソンリサーチと業界によると、今年世界で発注されたLNG運搬船は63隻だ。このうち現代重工業グループが21隻、サムスン重工業が19隻、大宇造船海洋が6隻を受注し、韓国の造船3社が73%を占めた。中国は5隻を受注するのにとどまった。日本は1隻も受注できなかった。

LNG運搬船は1隻当たり価格が1億8600万ドルに達する高価格船舶だ。収益性は高いが高い建造技術力が必要で、韓国の造船業界が独歩的な競争力を持つ市場と評価される。

今年フランスのCMA CGMが中国に発注したLNG推進超大型コンテナ船建造が1年以上遅れた事件は中国製LNG運搬船に対する世界の信頼をさらに落とした。2018年には中国の滬東中華造船が建造したLNG運搬船グラッドストン号がエンジン故障で立ち往生する事故が発生したりもした。造船業界関係者は「大規模な量を先物で契約するLNG取引の特性上、船主は船舶の安定性を最優先価値と考える。韓国にLNG運搬船受注が集まる理由」と説明した。

VLCCもドル箱船種に浮上した。VLCCは1隻当たりの価格が8500万ドルで、LNG運搬船とともに高付加価値船種に分類される。今年世界で42隻のVLCCが発注された中で現代重工業グループが27隻、大宇造船海洋が7隻を受注した。韓国のシェアは81%に達した。中国は5隻、日本は1隻を受注した。

今年から強化された国際海事機関(IMO)の環境規制でC重油の代わりに韓国企業が強いLNG推進エンジンを搭載したVLCCの需要が増加しているのもうれしい便りだ。現在運航中のVLCCの約20%が15年を超えた老朽船舶で交替需要も増加している。大宇造船海洋は最近欧州地域の船主とLNG二重燃料推進VLCC10隻に対する建造意向書(LOI)を締結し1兆ウォン規模の受注を予告した。

◇コンテナ船発注もあふれる

コンテナ船市場にも久しぶりに薫風が吹いている。上海コンテナ運賃指数(SCFI)が9週連続で過去最高を更新するなど海運好況で大型コンテナ船発注が相次ぎ再開されている。今年1万2000TEU(1TEU=6メートルコンテナ1個)以上のコンテナ船は韓国が18隻を受注し中国の14隻を上回った。中小型コンテナ船市場は事実上中国が独占しているが世界の海運会社が超大型コンテナ船を中心に発注を増やしており韓国に有利な状況になったと分析される。

業界によると現代重工業とサムスン重工業は最近ギリシャの海運会社キャピタルプロダクトパートナーズと1万3000TEU級コンテナ船の建造意向書を締結した。発注規模は両社とも確定5隻にオプション5隻を含む10隻ずつだ。1万3000TEUコンテナ船は1隻当たり約1000億ウォンで、両社とも1兆ウォン相当の契約を獲得すると予想される。

業界では来年上半期まで世界で大型コンテナ船約100隻が発注されると見込んでいる。造船業界関係者は「LNG運搬船にだけ依存した昨年と違い、コンテナ船、タンカー発注も増加している。来年上半期まで発注が続くだろう」と話している。



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