韓国半導体市場にスーパーサイクル…DRAM市場23%、NAND市場14%成長予想


サムスン電子が開発した第3世代10ナノ級のモバイルDRAM[写真 サムスン電子]
サムスン電子が開発した第3世代10ナノ級のモバイルDRAM[写真 サムスン電子]

韓国半導体市場で「スーパーサイクル」と呼ばれる長期好況に対する期待が大きくなっている。新型コロナウイルスの余波で多くの産業がふらついているが、半導体業界は昨年に引き続き今年も成長を継続すると予想される。

半導体業界と市場調査会社のオムディアが3日に明らかにしたところによると、新型コロナウイルスの世界的大流行にも昨年の半導体市場は好況だった。特に「半導体コリア」の礎であるメモリー半導体が成長を主導した。DRAM市場の売り上げは昨年656億4300万ドルで2019年より5%ほど増えた。NAND型フラッシュ売り上げも同じ期間に460億6200万ドルから568億8800万ドルと23%増加した。

今年は雰囲気がもっと良い。DRAMは昨年より23%増えた812億3900万ドル、NAND型フラッシュは14%増えた649億9500万ドルに達すると予想される。世界のDRAMとNAND型フラッシュ市場でのシェアがそれぞれ70%と50%に達する韓国の半導体業界が今年「スーパーサイクル」を期待する理由だ。

メモリー半導体市場で新型コロナウイルスは追い風になった。在宅勤務の拡散や非対面インフラ構築などによりノートパソコンとスマートフォン、サーバーなど、メモリー半導体が必要な製品の需要が増えた。ここに第5世代(5G)移動通信と人工知能(AI)、自動運転車分野でもメモリー半導体需要が急増している。

中国の追撃も停滞している。昨年11月に中国半導体崛起の先鋒に立っていた清華紫光集団が債務不履行を宣言した。年間3000億ドルを超える半導体を輸入する中国の「半導体国産化」が遅れるほど韓国には有利だ。

半導体輸出と業界の実績見通しも明るい。産業通商資源部によると2018年の韓国の半導体輸出額は1267億ドルで過去最大値を記録した。昨年は11月までで897億ドルで過去2番目に1000億ドルを超えることが予想される。これは韓国の全輸出額の20%を超える水準だ。

サムスン電子とSKハイニックスの業績に対する期待も大きい。金融情報会社Fnガイドによると、サムスン電子の昨年の営業利益予想値は2019年より32%多い37兆40億ウォンだ。今年は45兆7230億ウォンが見込まれる。SKハイニックスの昨年の営業利益は前年より81%増加した4兆9200億ウォンと推定される。今年は8兆5338億ウォンに達すると予想される。

また、証券会社はサムスン電子の目標株価を9万ウォン台、SKハイニックスの目標株価を15万ウォン台と予想した。個人投資家の間ではサムスン電子の株価が10万ウォンを超えるという見方が出ている。

懸念混じりの見方もある。2019年に停滞した半導体設備投資が昨年は大きく膨らんだためだ。今年の需要ほどに供給も多く増えかねないという意味だ。極東大学半導体装備工学科のチェ・ジェソン教授は「昨年の設備投資規模は2019年の半導体価格下落の原因になった2017~2018年水準。供給が増えれば価格は上がりにくい」と診断した。

売り上げだけ大きくなり営業利益は振るわないという予測もある。最近証券会社はサムスン電子の昨年10-12月期の営業利益見通しをこれまでより3000億~5000億ウォン低い9兆ウォン台序盤に調整した。ウォン高、新型コロナウイルスによる欧州のロックダウンなどが理由だ。ポスコ経営研究院のイ・ジュワン研究委員は「2018年の好況は日本のメモリー企業が競争激化にともなうチキンゲームで崩壊してから数年間の設備投資暗黒期を経て反射利益を得たおかげ。現在の状況では営業利益率が50%を超える好況を享受するのは難しい」と話した。



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