サービス収支は赤字となったが、航空貨物運送収入の黒字幅が小幅に上昇し、運送収支が黒字に転じて赤字幅が減少した。[写真 大韓航空]
昨年11月経常収支が7カ月連続で黒字を続けた。1年前に比べた黒字幅も6カ月連続で拡大した。半導体と情報通信機器などの輸出が増えた反面、国際エネルギー価格の増加にともなう原材料輸入が減少した影響が大きかった。
韓国銀行が8日発表した「2020年11月国際収支」によると、昨年11月経常収支は89億7000万ドルで、1年前である昨年11月(59億7000万ドル)より30億ドル増加したと集計された。昨年5月(22億9000万ドル)以降7カ月連続で黒字だ。また、1年前に比較した黒字幅も6カ月連続で増えた。これで昨年11月まで2019年年間経常収支の黒字規模(599億7000万ドル)を上回ったことが分かった。
経常収支の連続黒字をリードしたのは輸出の力だった。商品収支は95億4000万ドル(約9910億円)の黒字を記録して、前年同月(73億 9000万ドル)より21億5000万ドルが増えた。この中で輸出は470億2000万ドルとなり1年前(465億ドル)より1.1%増加した。1カ月ぶりに1年前に比べて増加に転じて黒字幅が増えた。一日平均輸出も20億4000万ドルで2カ月連続で前年同月より増加した。
韓国銀行のイ・ソンホ金融統計部長は「昨年11月輸出は半導体と情報通信機器を含む電機電子製品の増加幅が拡大し、乗用車と輸送装備の輸出も増加しながら前年同月より増えた」と説明した。
反面、輸入は前年同月(391億1000万ドル)より4.2%が減った374億8000万ドルだった。2カ月連続で1年前に比べて減少した。エネルギー価格が低下して原材料の輸入が減った影響が大きい。この期間エネルギー輸入物価は前年同月比石油(-34.5%)、石炭(-21.6%)、ガス(-38.4%)いずれも下落して原材料の輸入が17.8%減少したことが分かった。
イ・ソンホ金融統計部長は「11月経常収支の黒字規模が2019年の年間水準を超えた最も大きな要因の一つが石油、ガスなどエネルギー類の価格下落」としながら「その部分を除けば、前年の経常収支水準と似ているとみられる」と分析した。
サービス収支の赤字幅の改善も経常収支の連続黒字に力を加えた。サービス収支は赤字となったが、その幅が大きく減少した。昨年11月サービス収支は7億2000万ドルの赤字を出した。1年前(-18億9000万ドル)に比べては赤字規模が減った。立役者は4億ドルの黒字を出した運送収支だ。黒字転換に成功して1年前(-2億1000万ドル)に比べると変わった姿を見せた。世界の交易が回復傾向を見せて貨物運賃が上昇したおかげだ。また、航空貨物運送収入を中心に運送収入の黒字幅が前年同月(22億ドル)より小幅に上昇した(23億6000万ドル)影響もある。
配当・利子などの動きを記録した第一次所得収支も4億2000万ドルの黒字を記録した。しかし、昨年11月(9億7000万ドル)より黒字幅は5億5000ドル減少した。国内企業の海外配当収入が赤字に転換されたためだ。海外配当収入は1年前(4億9000万ドル)より9億8000万ドル減少して4億9000万ドルの赤字となった。
また、外国人直接投資法人の配当支給が増え、配当所得の支給も前年同月(10億1000万ドル)より増えた18億7000万ドルとなった影響もある。