アイオニックは笑い、テスラは泣く…補助金改編で電気自動車「地殻変動」=韓国


現代車が13日、電気自動車専用プラットホームE-GMPを初めて適用したアイオニック5のティーザーイメージを公開した。 写真=現代車
現代車が13日、電気自動車専用プラットホームE-GMPを初めて適用したアイオニック5のティーザーイメージを公開した。 写真=現代車

現代車コナ(Kona)最大800万ウォン(約75万円)、テスラ(Tesla)モデルS(Model S)「0ウォン」。

韓国政府が今年から電気自動車を買うときに支援する補助金の額だ。昨年補助金を出していたモデルSには今年から一銭も出さない。企画財政部・産業通商資源部・環境部は21日、このような内容を含んだ「電気自動車補助金体系改編案」を発表した。韓国内に吹いていた「テスラブーム」もダメージを受けそうだ。

政府改編案の核心は従来1台あたり最大800万ウォンまで支給していた補助金を減らす内容だ(地方自治体補助金別途)。今年からは燃費補助金(最大420万ウォン)と走行距離補助金(280万ウォン)を加えて最大700万ウォンまで支給する。履行補助金(最大50万ウォン)とエネルギー効率補助金(最大50万ウォン)は別途だ。昨年、現代起亜車・韓国GM・ルノーサムスン車・テスラなど電気自動車9種類に支給していた政府補助金は平均776万ウォンだった。

企画財政部のチャン・ユンジョン雇用環境予算課長は「補助金を算定するときに考慮する事項の中で『燃費(1キロメートルあたりの電力使用量)』比重を高めた。バッテリー効率性が高い電気自動車に多くの補助金を支給するという趣旨」とし「電気自動車補助金は普及拡大により今後次第に減らしていく計画」と説明した。

車両価格によって補助金を差別的に支給したり、いっそ支給しないことにしたのも今回の改編案の特徴だ。車両価格6000万ウォン以下には補助金100%を出すが、6000万ウォン以上9000万ウォン以下の場合は50%だけ出す。9000万ウォンを越えれば補助金は出さないという形だ。

補助金改編により車種別に悲喜が交錯する。具体的には現代車コナは690万~800万ウォン、アイオニック(IONIQ)701万~733万ウォンの補助金をそれぞれ支給する。起亜車ニロ(NIRO)も780万~800万ウォンまで出す。ルノーサムスン車のゾエ(ZOE)(702万ウォン)や韓国GMボルト(BOLT)(760万ウォン)も700万ウォン台の補助金が支給される。だが、テスラのモデルSやメルセデスベンツのEQC400、アウディのe-トロン55クワトロ(e-tron55quattro)のような高級車には補助金を一切出さない。

昨年韓国内で最も多く売れた電気自動車はテスラのモデル3(1万1003台)だった。続いて現代車コナ(8088台)、起亜車ニロ(3138台)、韓国GMボルト(1581台)、現代車アイオニック(1516台)、ルノーサムスン車SM3(917台)・同トゥイージー(Twizy)(855台)、ベンツEQC(608台)、アウディe-トロン(601台)の順だった。韓国輸入自動車協会によると、昨年電気自動車販売は前年比33.2%増となった。

大林(テリム)大学自動車学科のキム・ピルス教授(韓国電気車協会長)は「電気自動車補助金は消費者が内燃機関車と比較して高い電気自動車を買えるように負担を減らす核心要素」とし「価格帯が高い輸入高価電気自動車の補助金の恩恵が消えたことから、国産電気自動車ははるかに有利になるだろう」と見通した。

政府が国産電気自動車を優待する補助金政策を推進した背景にはテスラ発「逆差別」論争があった。例えばモデル3(5469万~7469万ウォン)より1000万~3000万ウォン程安いアイオニック(4140万~4440万ウォン)の価格競争力が政府補助金のために薄められているという話が出ていた。予算の側面で見たときも、テスラの電気自動車補助金受領規模が全体電気自動車補助金予算の40%以上を占めて論争になった。

今年、韓国の自動車業界は電気自動車「春秋戦国時代」を予告した。現代車は新しい転機のための専用プラットフォームを適用したアイオニック5を発売する予定だ。売却危機に陥った双龍(サンヨン)車も初の電気自動車モデル「E100」(スポーツ用多目的車(SUV)を出撃させる。輸入車ではベンツがEQA・EQS、BMWがiX3、アウディがe-トロンGT、テスラがモデルYなどを相次いで発売する予定だ。



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