米国際貿易委員会(ITC)でのLGとSKによるバッテリー紛争最終判定を翌日に控え、米国メディアはITCの決定によりバイデン政権の電気自動車政策が影響を受けるだろうと報道した。ITCは昨年2月の仮決定でSKイノベーションに早期敗訴判決を下したし、バイデン大統領は先月連邦政府の公用車として米国で生産する電気自動車を調達するという大統領令に署名した。
ブルームバーグは9日、「ITCがLGの手を上げるならば米国の電気自動車生産に障害になるだろう。電気自動車促進を公約に掲げるバイデン大統領のグリーンエネルギーアジェンダを複雑にさせるだろう」と報道した。続けて「LG勝訴に決まる場合、SKイノベーションはバイデン大統領の輸入禁止拒否に希望をかけるだろう」と付け加えた。だがこの30年間に米国大統領がITCの決定を棄却したのは1回だけだ。
ハフィントン・ポストもこの日、「バイデン大統領は連邦政府車両を電気自動車に転換するといったが、韓国の2つのバッテリー企業間の紛争が新政権の計画を崩壊させかねない。両社の紛争はジョージアでバイデン氏が勝利し彼の党上院の多数がSKの新工場建設を支援したという点から政治的被害も負わせかねない」と報道した。
SKイノベーションがLGエネルギーソリューションの営業秘密を侵害したとITCが最終判決を下すことになれば、SKイノベーションのバッテリーだけでなく関連部品まで米国への輸入が禁止される。米国メディアはバイデン大統領が自国経済に及ぼす影響を考慮し60日以内に拒否権を行使することもできると予想した。公正競争など公共の利益に反すると判断する場合だ。この場合LGとSKのバッテリー訴訟戦は米通商代表部(USTR)に付託される。またITCが早期判決を維持するものの「公益」を考えて調査するという折衷案を出すこともできる。こうになればSKイノベーションは時間を稼ぎ、LGエネルギーソリューションと和解を試みるものと観測される。
LGエネルギーソリューションとSKイノベーションは米国で大規模バッテリー工場を建設中だ。LGエネルギーソリューションは既存のミシガン州に続きGMと合弁で建設中のオハイオ工場で早ければ年末からアルティアムバッテリーを生産する。SKもジョージア州に2024年にバッテリー工場を完工し2600人を雇用するという計画だ。両社は米国工場で生産したバッテリーをフォルクスワーゲンやフォードなどの電気自動車向けに供給する予定だ。
ITCは現地時間10日にLGエネルギーソリューションがSKイノベーションを相手取り起こした営業秘密侵害訴訟に対する最終決定を下す。韓国時間で11日午前になるものとみられる。