韓国も日本の「失われた30年」に似ていきつつあるという懸念が大きくなっている。産業構造改革と規制緩和を通じた競争力向上はおろそかにしたまま資金だけ注ぎ込んで経済が停滞状態に陥る公算が高まっていると指摘される。
日本の「失われた30年」は1985年に米国などと結んだプラザ合意で始まった。円を切り上げる内容のこの合意の直後に日本の輸出競争力は急速に悪化した。日本の成長を牽引した商品輸出の年平均増加率(実質基準)は1995~2010年の5.5%から2011~2019年には2.1%と低くなった。日本経済新聞の世界市場シェア調査で2010年に日本企業は32の調査対象のうち10部門で1位を占めた。昨年日本の1位商品は74品目のうち7品目だった。
だが日本は輸出の空白を埋めるための構造革新を敬遠した。基準金利引き下げなどで市中に流動性を放出する方式で持ちこたえた。日本銀行は1985年末年に5%だった政策金利を少しずつ下げ、1987年2月には年2.5%まで引き下げた後、1989年4月まで維持した。1998年9月に政策金利を年0.5%から年0.25%に引き下げ2001年1月まで金利を据え置いた。
市中に資金は出回ったが実体経済に流れず経済が成長できない「流動性の罠」の流れも続いた。1990年代に入ってからは資産バブルまで消え日本経済は大きな衝撃を受けた。最近日経平均株価が3万円台を突破したが、30年前の株価を回復したにすぎない。日本の年平均成長率は1981~1991年の4.5%から1992~2002年が1.0%、2003~2007年が1.7%、2008~2011年がマイナス0.6%、2012~2019年が1.1%と足踏みを繰り返した。
韓国でも似た流れが続いている。昨年流動性を300兆ウォン近く放出した。だが実体経済に円滑に流れ込まずにいる。新型コロナウイルス危機克服が優先順位のため構造調整は事実上止まった状態だ。韓国銀行は昨年「国民の力」のユン・ヒスク議員に提供した報告書を通じ、韓国経済が日本式の沈滞に直面するのを防ぐには生産性を高めることが切実だと診断した。また、人工知能(AI)、自動運転車など新成長動力創出に向けた構造改革が必要だと明らかにした。