李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁
「今後の景気回復動向は消費にかかっていると判断する」。李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁は25日、金融通貨委員会直後オンライン記者懇談会でこのように話した。この日、韓銀は基準金利を年0.5%に据え置いた。今年の経済成長率は3%と見通した。昨年11月韓銀が提示した見通しと同じだ。輸出と設備投資は良くなっているが、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で萎縮した消費と雇用は依然として振るわない。
韓銀は今年輸出が1年前より7.1%増えると予想した。昨年11月見通し(5.3%)より1.8%ポイント上方修正した。関税庁によると、今月に入り、20日まで一日平均輸出額は21億7000万ドル(約2300億円)だった。昨年同期に比べて29.2%増加した。今年民間消費成長率は2%にとどまると韓銀は予想した。昨年11月見通し(3.1%)より1.1%ポイント下方修正した。
李総裁は「新型肺炎の長期化で対面サービス消費が大きく萎縮し、その分野に従事する階層を中心に所得条件が改善されずにいる」として「特に、今冬の新型肺炎の拡大傾向が思ったより深刻で消費がさらに振るわないだろう」と話した。NH投資証券のカン・スンウォン研究員は「国内雇用の24%(先月基準)を占める自営業景気は事実上停滞している」と指摘した。
韓銀は今年就業者数が8万人増加にとどまるものと予想した。昨年11月見通し(13万人)より5万人減った。統計庁によると、先月就業者数は1年前より98万2000人減った。1998年12月以降22年1カ月ぶりに最も大きな減少幅だ。韓銀は今年失業率見通しとして4%を提示した。昨年11月見通し(3.8%)より多少高かった。
韓銀が次回に成長率見通しを発表するときは3%より多少上昇する余地がある。今回の見通しには第4次災難支援金など補正予算の効果を反映しなかったためだ。李総裁は「支出の内訳が確定すれば補正予算が成長率見通しを高める要因になるだろう」と話した。
韓銀は今年物価上昇率の見通しを1.3%と提示した。昨年11月見通し(1%)より0.3%ポイント上方修正した。韓銀のキム・ウン調査局長は「国際原油価格など原材料価格の上昇と気象状況の悪化などにともなう食料品価格の上昇傾向が(物価上昇率)見通しに反映された」と説明した。李総裁は「移動制限措置などが緩和すれば、抑えられていた消費心理が噴出して物価上昇率が拡大する可能性がある」としつつも「(昨年物価水準が低かった)基底効果によってインフレーション(物価上昇率)が一時的に反騰する可能性はあっても持続可能性は小さいと考える」と話した。