韓経:韓国、今年の財政赤字「最悪」…全国民慰労金支給時は国の借金1000兆ウォン超える


韓国政府が4回目の災害支援金支給に向け10兆ウォン(約9514億円)規模の赤字国債を発行することにし財政健全性に赤信号が灯った。新型コロナウイルス対応は必要だが4月の選挙を控えて規模が大きくなり国の債務と負債比率などが悪化している。今後全国民慰労金など5回目、6回目の支援金まで支給することになれば今年末には国の負債が1000兆ウォンを超えるだろうという懸念も出ている。

◇財政赤字幅過去最悪

韓国政府が2日の閣議に上程し議決した総額19兆5000億ウォン規模の第4次災害支援金のうち追加補正予算は15兆ウォンだ。4兆5000億ウォンは既存予算から充当する。今回の追加補正予算は昨年の新型コロナウイルス対応に向けた第3次追加補正予算23兆7000億ウォン、2009年の金融危機当時の追加補正予算17兆2000億ウォンに次いで過去3番目に大きい規模だ。

韓国政府は15兆ウォンの追加補正予算のうち9兆9000億ウォンを赤字国債発行で充当することにした。これに伴い、今年の国の債務は昨年末より119兆ウォン増加し965兆9000億ウォンに達することになる。国内総生産(GDP)比の国の債務比率は47.3%から48.2%に1ポイントほど上昇する。

赤字規模も大きく増えると予想された。今回の追加補正予算により統合財政収支から社会基金収支を除いた管理財政収支は126兆ウォンの赤字を記録すると予想された。昨年の118兆6000億ウォンの赤字から7兆4000億ウォン拡大する。GDP比の赤字比率はマイナス6.1%からマイナス6.3%と過去最悪を記録するものと政府は予想した。

◇国の負債今年は1000兆ウォン超えも

問題は政府の財政ばらまきがここで終わらないという点だ。与党と青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)など政界は5~6次災害支援金を予告している。来年の大統領選挙を念頭に置いたものと分析される。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も先月「コロナから抜け出す状況になれば国民慰労支援金、国民の士気を高めるための支援金支給を検討できる」とした。

これをすべて赤字国債で充当することになれば今年の国の借金は1000兆ウォンを大きく上回りかねない。全国民に災害支援金を払うために14兆3000億ウォンを使った昨年4月の事例を考慮した計算だ。財政ばらまき拡大によりGDP比の国の債務比率も50%に迫る見通しだ。

韓国政府は支出構造調整を通じて予算をまず確保するという方針だ。企画財政部のアン・ドゴル予算室長は「中盤期になれば執行が振るわなかったり成果が不十分な事業に対して支出構造調整の余地を見ることができる」と話した。だが予算は使い道が決まっており、支出構造調整は思ったほど容易ではなく規模もやはりわずかだろうというのが専門家らの一貫した指摘だ。

今回の追加補正予算案と関連して野党「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長はこの日午前の非常対策委員会会議で「補欠選挙を控え突然に4次災害支援金を議論し、いまになって急に支給すると発表している」と指摘した。同党の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は「1000兆ウォンの負債をどのように返すのか全く答がない。執権勢力が国庫を無視して票を買う行為をしている」とした。

◇公平性議論もふくらむ

こうした中、政府が売り上げ把握が難しく税金も払っていない露天商に支援対象を広げたことも議論になっている。特に自営業者の不満が大きい。自営業者は露天商支援が不合理だと指摘している。自営業者は売り上げ減少が確認されなければ支援金が回収されるが、売り上げ確認そのものが不可能な露天商はこうした措置を取れないからだ。税金を払わず賃貸料など固定費もなく支援が必要な対象ではないという主張も出ている。

一般労働者と農民など支援金支給対象から除外された層でも不満が提起されている。所得減少で苦しいのは露天商だけではないとの指摘だ。韓国農業経営者中央連合会はこの日声明を通じ、「政府は所得減少分の算出が困難という理由で農業人支援を排除してきたが、同じようにこれがはっきりわからない露天商が支援対象に含まれた。基準のない組分け式の福祉政策は国民的対立を招くだろう」と批判した。



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