５月の通貨供給４・１％増　１４１７兆円、過去最高

　日銀が９日発表した５月のマネーストック（通貨供給量、月中平均残高）速報によると、現金や預金など世の中に出回る通貨の合計「Ｍ３」は、前年同月比４・１％増の１４１７兆５千億円だった。伸び率は平成１６年４月の統計開始以降で最も大きく、残高も過去最高となった。

　新型コロナウイルス感染症に対応するため、企業が手元資金を増やしたことが影響した。

　Ｍ３に含まれる「現金通貨」は２・５％増の１０５兆１千億円だった。普通・当座預金の残高を示す「預金通貨」は１０・１％増の７７０兆円だった。

　Ｍ３に投資信託や国債を加えた「広義流動性」は３・０％増の１８６２兆５千億円だった。

　マネーストックは、金融部門から個人や企業など経済全体に供給されたお金の量を指す。