起亜自動車「EV6」
起亜自動車が最新電気自動車「EV6」のオンライン事前予約を控え、労働組合の反対を受けている。労組側は「オンライン事前予約は結局オフライン販売網の崩壊につながる」として強く反発している。EV6は起亜自動車初の電気自動車で、今月末に実車を正式に公開する予定だ。
起亜自動車と金属労組起亜自動車支部によると、起亜自動車国内事業本部はこのほど地域別営業本部長会議を通じ、「EV6の発売に先立ち顧客を対象にオンライン予約を実施する」という方針を伝達した。「3月末公開、7月初め正式発売」までの空白を挽回し、アップルのiPhoneのようなモバイル機器販売方式を導入しようという目的からだ。EV6のオンライン事前予約はインターネットで契約金10万ウォンを預けた後、名前と連絡先、希望モデルを書いて提出する方式だ。テスラのように車両契約から代金決済、分割払い方式選択まですべてインターネットでする方式ではない。起亜国内事業本部は今年初めからEV6のインターネット事前予約を検討していたという。
起亜自動車労組はオンライン予約がそのままオンライン販売につながるとみて反対している。起亜自動車販売労組は最近労組情報誌に「オンライン予約方式の導入はオンライン販売に拡大し、営業職群に深刻な雇用不安を引き起こすと予想する。結局EV6の事前オンライン予約が全車種のオンライン販売を前提にする手段ではないかと疑問に感じる」と主張した。金属労組起亜自動車支部組合員約3万人のうち販売労組は約10%を占める。しかし生産職・研究職労組と比較して結束力は強い方だ。起亜自動車労使団体協約は「量産される車種の販売権(通信販売含む)を委譲および中断しようとする時は計画確定前に組合に通知後、労使の意見一致で施行する(第48条)」と明示されている。起亜自動車と兄弟格である現代自動車の販売労組も「オフライン以外のチャンネル(オンライン、テレビ通販など)で自動車販売をしてはならない」という立場だ。2018年3月に文在寅(ムン・ジェイン)政権がテレビ通販で自動車販売ができるよう制度を変更した時も「朴槿恵(パク・クネ)政権で決定された制度なので前政権の積弊」として反発した。
現代自動車と起亜自動車は現在、韓国国内でのオンライン販売に対し慎重な立場だ。起亜自動車関係者は「オンライン事前予約は顧客便宜と需要予測、販売台数予測のために実施するものでオンライン販売とは違う」と答えた。一方、起亜自動車は22日に株主総会を開き、商号を「起亜自動車株式会社」から「起亜株式会社」に変える定款変更案件を議決する方針だ。