2日、中国上海国際クルーズターミナルで開かれた現代自動車の「ジェネシスブランドナイト」で、ドローン約3500個が上空でジェネシスの中国発売を祝った。 [写真 現代自動車グループ]
現代自動車が高級車ブランド「ジェネシス」を中国に発売しながら選択したカードは「定価販売」だった。現地での業績が極度に不振な状況でも従来の営業方式とは決別し、収益性の強化など質的成長に軌道を全面修正するという趣旨だ。
現代車によると、ジェネシスは2日、中国上海国際クルーズターミナルで公式発売行事を開催した。この日の行事にはドローン約3500個が上海上空でジェネシスの中国発売を祝った。現代車グループ関係者は「ジェネシスを中国内のすべての購買チャンネルで同じ価格(ワンプライス)で販売する」と述べた。
ジェネシスの「定価販売」には、韓国国内市場での成功方程式を中国で再現するという現代車の意志が込められている。国内市場シェアが30%序盤まで減少した2016年末、現代車は営業支店(直営店・販売代理店など)のすべてで例外なく同じ価格で自動車を販売し始めた。当初は多くの職員が反発した。ところが定価販売は結局、成果を出した。ブランド評判が高まり、コナやパリセードなど新車効果が拡大し、現代車の国内シェアは40%台まで回復した。
当時の現代車の内需市場反騰を牽引したイ・グァングク本部長は現在の現代車・起亜中国事業総括(社長)を務めている。鄭義宣(チョン・ウィソン)会長(51)が自ら重用したという。鄭会長には「営業にも体系的なシステムが優先されるべき」という持論がある。
昨年、現代車・起亜の中国販売台数はそれぞれ44万1000台、22万4000台にとどまった。2016年まで100万台以上を販売していた現代車・起亜の中国での地位は過去の話になった。キム・ピルス大林大教授(自動車学)は「もう中国は長い呼吸で接近する市場になった。工場を大きく建設し、単純に車を大量に販売していた従来のやり方では生存が難しい」とし「中国の顧客に『現代車は何がどう違うのか』を説得しなければいけない時期」と分析した。
現代車と起亜は今年の中国市場での販売目標をそれぞれ56万2000台、25万5000台に設定した。昨年の販売台数と比較して大きな差はない。
また、現代車は中国市場で出したパリセードを国内(3500万ウォン台)より高い29万8800元(約5100万ウォン、約500万円)で販売している。中国に販売するG80、GV80も現地法人(北京現代)生産ではなく、現代車グループの中国持ち株会社(HMGC)が蔚山(ウルサン)工場から直接輸入することにした。現地化よりも輸入車イメージを構築するための戦略だ。