NAVERの韓聖淑代表
韓国のインターネットサービス大手、NAVER(ネイバー)がウェブトゥーン・ウェブ小説など「ウェブコンテンツ」事業にさらに積極的に注力していく覚悟を固めた。新事業部門の成長潜在力を立証した今年1-3月期の実績が土台となっている。グローバル力量の強化のための人材報奨体系も強化していく。
◆フィンテック、コマースなど新事業拡張
NAVERは1-3月期の連結基準売上1兆4991億ウォン(約1472億円)を記録したと29日、発表した。前年比29.8%増となる。営業利益は2888億ウォンで前年同期比1%減となった。ストックオプションなど株式補償費用の増加で営業費用が前年に比べ40.3%(1兆2102億ウォン)増えたためだ。
1-3月期NAVER実績をけん引したのは新事業部門だ。Naver Pay(ネイバーペイ)などフィンテック部門の売上は52.2%増となる2095億ウォンと集計された。外部提携先増加により決済額が増加した。1-3月期、ネクソンやサムスン火災など大型加盟店を追加してオンライン提携先は6万5000件で1年間で31%増えた。Naver Payの1-3月期決済額は56%増となる8兆4000億ウォンだ。
韓聖淑(ハン・ソンスク)代表はこの日のカンファレンスコールで「NAVERとMOUを締結した新世界、emart(イーマート)、大韓航空などの大型パートナーとも決済分野で協力を追加で検討していく」と明らかにした。
コマース部門も顕著な成長を遂げている。売上が1年前比40.3%増となる3244億ウォンを記録した。中小商工人がオンライン販売ができるように支援し、NAVERショッピングプラットフォーム「スマートストア」入店企業が45万社に増えた。大企業が入るブランドストアには約320社が入店した。ライブコマースプラットフォーム「ショッピングライブ」取引額は6カ月前に比べると2倍以上増えた。
コンテンツ部門もウェブトゥーン、スノー、Vライブなどがそれぞれ善戦したおかげで売上が前年同期比40%増となる1308億ウォンを記録した。クラウド部門の売上はクラウド転換需要が爆発して71.1%増となる817億ウォンと集計された。
◆「日本ウェブトゥーン市場1位奪還」
NAVERはグローバルウェブトゥーン・ウェブ小説事業を攻撃的に展開していく計画だ。NAVERは米国子会社ウェブトゥーンエンターテインメントに2040億ウォンを追加で投資する。ウェブトゥーンエンターテインメントはNAVERのウェブコンテンツ関連子会社を傘下に置くコンテンツコントロールタワーだ。今年5月にはウェブ小説プラットフォーム「Wattpad」買収作業を終え、プレビューなどNAVERウェブトゥーン収益モデルを適用する。パク・サンジン最高財務責任者(CFO)は「現在、Wattpad収益はほぼ広告から入る」とし「NAVERウェブトゥーンの高度化した収益モデルを移植して下半期から収益性を強化する」と話した。
日本市場でカカオジャパン「ピッコマ」に遅れをとっているLINEマンガは、オリジナルコンテンツの製作を増やす予定だ。日本の漫画本をデジタル化して出版していた既存の方式から脱し、オンライン消費に最適化したコンテンツを直接作る。エピソード単位の連載コンテンツも今年下半期までに今の2倍に拡大する計画だ。パクCFOは「LINEマンガ1位奪還のためにコンテンツと使用性の改善を進めている」と強調した。
人材確保のための報奨体系も差別化する予定だ。現在、運営しているストックオプション(株式買収請求権)、ストックグラント(すぐに行使できるストックオプション)以外にもより多くの報奨体系を構築する計画だ。韓代表は「現時点はNAVERがグローバル市場で一次元高い企業価値を認められるかどうかの重要な変曲点」としながら「優秀な人材を守り確保することができるように報奨体系を強化していく」と話した。