朴正浩SKテレコム社長兼SKハイニックス副会長。[中央フォト]
SKグループ関係者は「韓国の電子商取引市場は現在のチキンゲームの状況を経て、これから1~2社の少数の企業だけ生き残り市場を寡占するものとみられる。弱い部分を果敢なグローバル協力を通じて補完し、これを通じて流通市場内で粘り強く競争ができるようにすることが会社と消費者に資するものと判断したことからアマゾンと協力することになった」と説明した。
◇勝負師朴正浩、アマゾンとの協力主導
アマゾンとの協力はグループ内で「勝負師」と呼ばれる朴正浩(パク・ジョンホ)SKテレコム社長兼SKハイニックス副会長が主導した。ここにグローバル通であるハ・ヒョンイルSKテレコムCorp2センター長が力を加えた。朴副会長は当初計画と違い、先月米ワシントンで開かれた韓米首脳会談訪問団に参加して崔会長を補佐せず、同じ期間に別の出張に出てアマゾンとの関連交渉を終えた。
関連作業もしっかりと進んでいる。SKテレコムは11日に理事会を開き、SKテレコムを存続法人である「人工知能&デジタルインフラカンパニー」と中間持ち株会社格の新設会社「情報通信技術(ICT)投資専門会社」に分ける人的分割案を議決することにした。11番街とSKハイニックス、ADTキャップスなどは新設する投資専門会社の下に編入される計画だ。
◇270兆ウォンの電子商取引市場は荒波の中に
SKグループとアマゾンの協力が具体化したことで韓国の電子商取引市場はもう一度激戦場に変わることになる。企業の立場では毎年20%近く拡大しているいくつもない市場をあきらめることはできない状況だ。ネイバーと手を組んだ新世界・イーマートがひとつの軸で、米ニューヨーク証券市場上場を通じて実弾を確保したクーパンも韓国の流通市場で覇権を狙う。ここに伝統的な流通強者であるロッテショッピングもロッテONの新代表にイーベイ・コリア出身者を迎え入れるなど戦列を整え一戦交えようとしているところだ。
7日に本入札を控えたイーベイ・コリアの売却にも影響を与えるものとみられる。イーベイ・コリアは韓国電子商取引市場の12%を占めているが、最近はネイバーとクーパンなど競合企業に押され立地が狭まっている状況だ。これに加えてアマゾンと11番街の連合軍まで市場競争に参入する。
イーベイ・コリアの予備入札にはロッテと新世界、SKテレコム、ファンドでホームプラスの筆頭株主であるMBKパートナーズなどが参加した。これら企業のうちどこであれイーベイ・コリアを確保すれば一気に電子商取引市場3位の企業に上ることになる。
SKテレコムもやはり変わることなくイーベイ・コリア買収戦に参加するという立場だ。だが最大5兆ウォンに達すると予想される買収価格の負担に加え、イーベイ・コリアの未来競争力に疑問を抱く見方が多い。そのため本入札そのものが延期される可能性まで議論されている。
アマゾンが韓国上陸へ…SKグループ会長「11番街で勝負」(1)