韓経:「韓国市場を確保しよう」…中国企業が押し寄せる


韓国のクラウド市場を狙うアリババやテンセントなど中国のIT企業の動きが尋常でない。韓国市場はすでに海外企業のシェアが半分を超えた状況だ。急激に拡大する韓国のクラウド市場を海外企業が独占するのではないかとの懸念が出ている。

◇中国企業まで狙う

アリババクラウドはアジア太平洋地域のスタートアップなどを育成するため今後3年間に10億ドルを投資すると9日に明らかにした。同地域の開発者10万人と技術ベンチャー企業10万社を支援する計画だ。この会社は中国オンライン商取引企業アリババのクラウド子会社だ。アリババクラウドのインテリジェンス・インターナショナルビジネス・プレジデントのセリーナ・ユエン氏は「アリババクラウドのアジア太平洋地域戦略で現地企業のデジタル転換はとても重要だ」と強調した。韓国のIT業界関係者は「アリババがマイクロソフト(MS)やアマゾンウェブサービス(AWS)のように国内企業支援を媒介に自社のクラウドサービスを利用させてシェアを一気に高めようとする可能性が大きい」と分析した。

アリババクラウドは昨年9月に韓国のクラウド管理(MSP)企業のメガゾーンと総販契約を結んだ。通常海外クラウド企業は韓国国内のMSPと組んでクラウドサービスを提供する。アリババが国内MSPと契約を結んだのは初めてだ。アリババのクラウド部門売り上げは1-3月期に601億元で1年前より50%ほど増えた。IT市場調査会社のIDCによると、昨年アリババのアジア太平洋地域のクラウド市場のシェアは19.2%で1位だった。

世界1位のゲーム企業テンセントも韓国のクラウド市場攻略水準を高めている。子会社であるテンセントクラウドは4月に仁川(インチョン)観光公社と国内IT基盤観光ソリューションを構築すると明らかにした。仁川観光公社に訪韓観光客向けのワンストップスマート観光ソリューションを提供する計画だ。テンセントクラウドは先月には「サービス型アプリケーションプラットフォーム(aPaas)ソリューション」を国内で始めた。

◇海外ブランドのシェア急上昇

テンセントクラウドは昨年中国のクラウド企業で初めて韓国インターネット振興院(KISA)の韓国情報保護管理体系(ISMS)認証を取得した。ISMS認証は企業が主要情報資産を保護するために策定・管理・運営する情報保護管理体系が国内認証基準に適合しているか審査する制度だ。テンセントはISMS認証を契機に韓国への投資を拡大し、ゲーム会社中心に市場に食い込んでいる。ネクソンとネットマーブルなど韓国上位20社のゲーム会社のうち80%がテンセントのクラウドを利用している。

中国企業の加勢で韓国のクラウド市場は海外企業の角逐の場になる公算が大きくなった。IDCによると2019年の韓国のクラウド市場売り上げ上位10社のうちAWSやMSなど海外企業のシェアは51.4%に達した。クラウド業界関係者は「インフラサービス(IaaS)、ソフトウエアサービス(SaaS)、プラットフォームサービス(PaaS)などクラウド各分野で韓国での売り上げ1位企業はいずれも海外企業」と話した。IT市場調査会社のガートナーは韓国のクラウド市場規模が今年3兆2400億ウォンまで大きくなると予想した。

韓国企業も速い動きを見せている。ネイバーは江原道春川(カンウォンド・チュンチョン)に続き世宗(セジョン)に第2データセンターを構築する。来年の完工が目標だ。カカオも初のデータセンター建設に出た。京畿道安山(キョンギド・アンサン)の漢陽(ハニャン)大学ERICAキャンパスに2023年までに1万8383平方メートル規模で作る計画だ。



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