韓国流通ビッグスリーの電子商取引競争本格化…ロッテは組織再整備


ロッテの辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長が1月13日、テレビ会議形式で行われた「2021上半期ロッテVCM(Value Creation Meeting)」に参加している。[写真 ロッテグループ]
ロッテの辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長が1月13日、テレビ会議形式で行われた「2021上半期ロッテVCM(Value Creation Meeting)」に参加している。[写真 ロッテグループ]

新世界グループのイーマートが今年の流通業界で最大の売却案件に挙げられたイーベイ・コリアを買収して上半期を終えた。電子商取引市場が新世界とネイバー、クーパンの3強体制に再編が進む中で下半期にもオンラインショッピング市場をめぐり企業間の競争が激しくなる見通しだ。

まず流通ライバルである新世界がイーベイ・コリアを買収したことでロッテグループの動きが速くなっている。これに先立ちロッテと新世界の2社でイーベイ・コリア買収戦が繰り広げられたが、新世界が3兆4000億ウォンで落札した。

◇イーベイあきらめたロッテ…辛東彬の反撃カードは

年間取引額20兆ウォンでシェア12%のイーベイ・コリアをあきらめ、ロッテは電子商取引戦略に焦っている状況だ。辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)ロッテグループ会長は6月30日~7月1日に下半期社長団会議を開く。例年より半月ほど繰り上げる。30日に外部専門家の講演を聞き、翌日に全体会議をする。ロッテグループ内外では下半期の始まりから対応戦略を立て、素早く組織再整備に出るのではないかとの観測が出ている。これと関連し最近の辛会長の現場での指揮も頻繁になっている。物流センターから食品工場、百貨店、マートなど流通事業部門の現場を広く視察している。

彼は最近オープンした新世界の朝鮮パレスホテル、汝矣島(ヨイド)のザ・現代ソウル百貨店など競合流通企業からソウル・清潭洞(チョンダムドン)のカフェ「メゾン・サウスケープ」、アイウェアブランド「ジェントルモンスター」の店舗など話題のスポットも訪れたという。

ロッテ関係者は「辛会長が現場をしばしば視察をしていること自体が組織には緊張感を与える。変化のスピードを速めるようにとの注文と解釈している」と話した。ロッテは統合オンラインモール「ロッテオン」の能力向上に集中し、今後シナジーを高められる買収合併に積極的に参加する計画だ。

◇新世界、オン・オフライン流通1位に跳躍するか

ロッテを押さえてイーベイを確保した新世界は、グループの事業構造をオンラインへとシフトする方針だ。事実イーベイを買収したが、買収価格が割高というのが一般的な評価だ。新世界関係者は「結局イーマート、SSGドットコムとイーベイとのシナジーを速く出すことがカギだ。事業の中心軸がオンラインへと大幅にシフトするだろう」と話した。イーベイの270万人の有料顧客、最大規模の販売業者、熟練したIT開発者などの資産を新世界に急いで安着させるという意味だ。

この関係者は「今後4年間に1兆ウォン以上をオンラインフルフィルメントセンターに集中的に投資するだろう。イーマートの店舗などオフライン拠点をオンライン物流の前進基地として活用し物流競争力を高めるだろう」と付け加えた。フルフィルメントは商品の保管・包装から出荷・配送などを一括処理する。新世界は既存のイーマートと百貨店事業にイーベイ・コリア、SSGドットコムまで加勢してオン・オフライン流通統合1位に立てる有利な位置に立っている。

◇ネイバー・クーパン「新世界の追撃許さず」

既存の電子商取引トップ圏にあるネイバーとクーパンは物流センター強化に拍車をかけオンライン市場を新世界に容易に渡さない姿勢だ。大詰めでイーベイ買収から手を引いたネイバーは独自の競争力強化に集中する様相だ。これまで弱点に挙げられていたフルフィルメントセンターを相次いでオープンし配送強化に出た。CJ大韓通運と組んで最近京畿道軍浦(キョンギド・クンポ)にサッカーコート5面分の大きさのオンライン注文専用フルフィルメントセンターを用意し、8月には竜仁(ヨンイン)に食品配送に向けたコールドチェーン(低温物流)フルフィルメントセンターまで稼動する。

クーパンは最近京畿道徳坪(トクピョン)の物流センター火災収拾を必死に進めている。昨年以降労働者過労死まで明らかになるなど企業の否定的なイメージが固まっているためだ。最近の大規模火災という悪材料の中でも今年1兆ウォンほどを投じる追加の物流センター建設は予定通りに進める。クーパン関係者は「今年初めのニューヨーク証券市場上場当時に明らかにした通り、全国でロケット配送ができるようスピードを出すという計画に変わりはない。一方では日本など海外進出事業も活発にするだろう」と話した。



Source link