韓経:日米は半導体研究開発に資金投じるのに…韓国は新規支援「ゼロ」


半導体
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A大学の半導体専攻B教授は進行中だった半導体素子研究プロジェクトを中断した。昨年1億ウォンで策定された政府の半導体研究開発支援費用が今年は半分に減ったためだ。B教授は「支援額が少ないのも問題だが毎年の支援費用が一定でないため人材を維持しにくい。このような形で中断した研究が過去に3件はある」と吐露した。

◇研究開発予算の1%だけ半導体に配分

29日の業界によると、韓国の半導体学界が資金不足により労働力難を体験している。韓国政府の大学に対する半導体研究開発支援規模が十分でない上に毎年の変動幅も大きいからだ。

韓国政府が策定した今年の研究開発支援額は27兆4000億ウォン規模だ。支援予算が最も多く配分された分野は「韓国版ニューディール」と呼ばれるビッグデータ、第5世代(5G)移動通信、人工知能(AI)などデジタル部門だ。低炭素エネルギー研究などを称するグリーンニューディールとともに約1兆ウォンが使われる。これに対し半導体部門は1%水準である2848億ウォンにすぎない。研究開発支援項目のうち最も少ない方だ。それでも今年は支援額が昨年より多く配分された。各国政府が半導体覇権戦争に飛び込んでだ。

学界では特に大学の人材養成のために配分される金額規模が小さいという点を最も大きな問題と指摘する。半導体研究開発支援額のうち20~30%ほどだけが大学研究費として使われているという。

日本と米国は天文学的な金額をかけて半導体研究開発を支援している。日本政府は半導体中心の先端技術研究開発を支援する1000億円規模の基金を新しく作ることにした。米国上院は今月初めに半導体やAIなどの分野に5年間で2500億ドルを支援する「米国革新・競争法」を通過させた。今後5年間で技術開発に1900億ドル、半導体研究・設計・製造に520億ドルを支援するのが核心だ。

◇毎年変動する半導体研究開発支援額

半導体研究開発に対する政府支援額が毎年大きな変動を見せるのも問題と指摘される。良質の人材を集めるのが難しいためだ。韓国半導体ディスプレー技術学会長である漢陽大学融合電子工学部のパク・ジェグン教授は「来年には支援額が減ったりなくなっているかも知れない状況で学生に研究プロジェクトに集中しろと言うのは難しい。半導体研究をしていた教授と大学院生が太陽光やバイオなどに専攻を変えるケースも多い」と話した。

実際に半導体主務官庁である産業通商資源部の半導体研究開発支援額は2010年の1003億ウォンから2017年には314億ウォンまで減ったが、今年は1100億ウォン水準に上った。だが1100億ウォンのうち新規事業額は「ゼロ」だ。今年策定された1100億ウォンはいずれも昨年から策定されていた事業金額だ。科学技術情報通信部と中小ベンチャー企業部などにある新規支援額を合わせても245億ウォン水準にすぎない。学界では持続的に新規研究開発支援額が配分されなければ持続的な半導体先導技術開発が難しいと指摘した。また、政府の研究開発支援額が毎年揺れ動き研究開発が中断されたりプロジェクトをたたむケースが発生するためだ。

◇規制で研究人材増やすのも困難

政府支援不足で大学内の半導体研究人材も減っている。パク教授は「大学院で半導体専攻を選んだ修士・博士人材が10年前に比べ30%水準にしかならない。半導体関連授業が減少し学生数も減っている」と指摘した。ソウル大学材料工学部のファン・チョルソン教授は「ソウル大学工学部の教授330人のうち半導体関連教授は10人もいない。材料工学部内だけで半導体専攻教授が10年前には6~7人いたが現在は2人しかいない」と吐露した。

それでも半導体関連学科を新設したり定員を増やすこともできない。首都圏の大学は首都圏整備計画法により定員の限度内だけで学科別の人数を調整できる。30人が定員の半導体学科を作れば他の学科の定員をそれだけ減らさなければならないという話だ。迂回路は卒業生を100%採用する条件で企業と協力し開設する契約学科だけだ。民主党半導体技術特別委員会は29日に大田(テジョン)にあるKAISTに定員50人前後の「サムスン電子半導体契約学科」を開設すると発表した。半導体学科を作る別の代案がないと考えたのだ。

半導体業界関係者は「契約学科は定員が多くなく、すべての大学に設置することもできない。大学が人材プールを広げられる環境を政府が用意しなければならない」と話した。



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