1グラムで100万人殺傷、ボトックスは国家戦略物資=韓国


ボトックス施術のため注射器にボトックスを注入している。[中央フォト]
ボトックス施術のため注射器にボトックスを注入している。[中央フォト]

米時事週刊誌タイムによると、ボツリヌストキシン(ボトックス)で治療が可能な疾患は800種類以上だ。あごやほほ、額などのしわを伸ばす美容分野から、脳性まひや脳卒中のような疾病による筋肉の痙縮・硬直問題を解決する医療分野まで活用範囲は多様だ。

このように使い道はますます広がっているが、ボトックスは厳格な管理が必要な物質だ。厳密に言えば一種の「毒」であるためだ。わずか0.00007ミリグラム注入するだけで体重70キログラムの成人が死亡することもある。ボトックスを1グラムだけ確保すれば理論上は100万人を殺傷できる物質という意味だ。

ボトックスをバイオテロリズム兵器として悪用する状況を防止するため各国は1975年に生物兵器禁止条約を発効した。韓国政府もボトックスを国家核心技術・戦略物資に指定し特別管理中だ。

ところが韓国のボトックス菌株管理が不十分だとの指摘がふくらんでおり、疾病管理庁は昨年末にボトックス菌株を保有する企業・機関を対象に一斉調査に入った。ボトックス菌株を扱う24社を書面で調査し、このうち11社を選んで3月まで現場点検をした。

ボトックス業界が緊張するのは、政府調査の結果がまだ明らかにされていないためだ。調査結果の状況が深刻で警察の捜査につながる場合、市場が揺れ動きかねない。現行法上、菌株の出どころを虚偽申告すればボトックスを製造した施設に対して閉鎖処分を受けることもあるためだ。生化学武器法では「不正な方法で生物テロ感染病病原体を製造した場合、取り扱い施設を閉鎖できる」と規定している。

疾病管理庁関係者はこれに対し4日に中央日報の電話取材に「政府の許可なく菌株の遺伝子組み換え実験を進めて法規違反事項が明確な企業1社を警察に告発した」と話した。

他のボトックス企業3社に対しては警察に正式捜査を依頼する方針だ。政府にボトックス菌を保有していると申告する前に菌株を保有していたのが2社、政府に菌株新規取得方法を申告した内容が事実と異なるとみられるケースが1社だ。

疾病管理庁関係者は、「今月初めに警察に正式に捜査を依頼する計画。現段階では告発・捜査依頼した企業名は公開しない」と説明した。



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