現代車労働組合、来週スト実施方針…半導体不足に続く悪材料


現代車労使は先月30日、蔚山工場で第13回交渉を行ったが、決裂した。現代車労働組合は5日、臨時代議員大会を開き、労働争議決議案件を通過させた。[写真 現代車]
現代車労使は先月30日、蔚山工場で第13回交渉を行ったが、決裂した。現代車労働組合は5日、臨時代議員大会を開き、労働争議決議案件を通過させた。[写真 現代車]

現代自動車労働組合がストライキを予告した。現代車は年初から車載用半導体不足で生産に支障が生じてきた。こうした状況で労働組合がストに入れば生産への影響は大きい。労働組合は過去2年間の賃金が据え置かれたため、今年は賃金交渉で譲歩できないという立場だ。

現代車労働組合によると、7日の組合員投票で投票者の83.2%がストに賛成した。現代車蔚山(ウルサン)工場と忠清南道牙山(アサン)工場、全羅北道全州(チョンジュ)工場、京畿道華城(ファソン)ナムヤン研究所などで全体組合員4万8599人のうち4万3117人が投票に参加した。投票率は88.7%だった。投票不参加者を含めると、全体組合員の73.8%がスト賛成票を投じたということだ。2018年7月の組合員投票(65.62%)よりスト賛成率が高かった。

労働組合は8日、「今年、賃金および団体協約をめぐり13回の交渉をしたが合意できず、ストが避けられない状況」と主張した。現代車労働組合が合法的なスト権を持つには中央労働委員会の調整中止決定がなければならない。中央労働委員会は来週初め調整を中止するかどうかを決定するとみられる。

現代車労働組合は▼基本給9万9000ウォン(約9460円)引き上げ(定期昇給分除く)▼純利益30%の成果給支給▼定年延長(最長満64歳)--を要求している。使用者側はこうした要求を受け入れられないという立場だ。労働組合が部分ストをする可能性もある。2018年にも賃金交渉が決裂すると、労働組合は一日2-6時間間隔で部分ストをした。現代車労使は過去2年間、無争議で賃金交渉を終えた。

自動車業界によると、現代車は今年上半期だけでも半導体不足のため7万台ほどの生産に支障が生じた。車両の出庫が遅れ、納車期間も長くなっている。SUVのツーソンの場合、消費者は納車まで6カ月以上待たなければいけない。産業研究院のチョ・チョル研究委員は「国内では消費者が(納車を)待つだろうが、輸出物量に(生産)支障が生じればグローバル競争で劣勢になることも考えられる」と述べた。ただ、現代車側は来月初めに予定された夏季休暇前に労働組合と交渉を妥結するという意志を見せている。労働組合も無条件にストに入るという立場ではない。

韓国経済研究院は8日、国内企業のストによる勤労損失日数が日本の200倍近いという分析報告書を出した。報告書によると2009年から2019年まで韓国国内でストによる賃金勤労者1000人あたりの勤労損失日数は年平均38.7日だった。同じ期間の日本(0.2日)の193.5倍にのぼる。ドイツは6.7日、米国は7.2日だった。韓国経済研究院によると、世界経済フォーラム(WEF)が評価した労使協力の競争力順位で韓国は130位と、調査対象141カ国のうち最下位圏だった。



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