中国の石油探査基地が水に沈んだのは気候変動の影響

【アンダマン/Alex Rodriguez Chloe】中国の新疆ウイグル自治区西部にあるタクラマカン砂漠は、通常であれば毎年1cmほどの雨しか降らない。だが7月中旬にTian Shan山脈の氷河融解により洪水が引き起こされ、中国石油化工集団(Sinopec Group)の石油探査サイトを含め砂漠の300km2が水没した。

 中国のSNSに投稿されたSinopec Groupのビデオクリップによれば、洪水により30,000近くの銃器と50台の探査車両が氾濫する湖ができた。人命の損失はなかったという。

 今年だけでも世界は異常気象を多く目撃しているが、それは気候変動の証拠でありCO2排出量をさらに削減するために行動しなければならない、とSouth China Morning Postは提唱する。

 6月下旬にはカナダで史上最高気温の49.6℃を記録した後、村が全焼するに至った。中国の河南省では通常の1年分よりも多い降雨量がわずか3日で降った。河南省政府は300人の被害と206億ドルの損失を報告したが、氷山の一角に過ぎないと言われている。

 7月中旬には欧州のドイツでも洪水が発生したし、南欧のギリシャなどでは46.3℃という記録的な熱波に見舞われた。これらの異常気象は中国の経済成長を大きく妨げることになる。

 科学者達は、異常気象は気候変動の影響によるものだという明確な証拠を提示し、世界が迅速に行動しなければならないと警告を発している。

 香港天文台のアシスタントディレクターであるChan Pak-waiは、「地球温暖化は人間の活動の結果として温室効果ガスが放出されることが原因だ」と話す。

 世界で最もCO2排出量が多い中国が、次々と気候変動の影響を受けているというのは皮肉な話だ。中国経済を減速あるいは停止させることが気候変動の制御に役立つかもしれない。