韓国海洋水産部、カーボンニュートラルを超え「マイナス」推進…2050排出-324万トン


韓国政府が「2050カーボンニュートラル(炭素中立)シナリオ」のうち、海洋水産分野における政策推進方向を公開した。2050年までに二酸化炭素の純排出量を「ゼロ」にするという国家的目標を達成するために、海では排出量をむしろ-324万トンに純減するという、いわゆる「カーボンネガティブ」計画だ。

17日、文成赫(ムン・ソンヒョク)海洋水産部長官は政府世宗(セジョン)庁舎でこのような内容の「海洋水産分野2050カーボンニュートラルロードマップ」を発表した。現在、406万1000トン(2018年基準)に及ぶ海洋水産分野の温室効果ガス排出量を729万8000トン削減するというのが政府の目標だ。▼海運・水産など海関連産業の炭素排出量削減▼化石燃料を新しい海洋エネルギーで代替▼干潟・海の森など「ブルーカーボン」で炭素を吸収するなどの内容を骨子とする。

◆ディーゼル船→エコ船舶に切り替え

具体的には、ディーゼル燃料を使用する民間船舶・官公船を段階的に低炭素・無炭素船舶に置き換え、海運業炭素排出量を101万9000トン(2018年基準)から30万7000トンまで減らす計画だ。このため、2030年までに低炭素(LNG・ハイブリッドなど)船舶技術の発展を支援し、無炭素(水素・アンモニア)船舶技術を商用化する。

現在、海洋水産分野で炭素排出量が最も多い水産業・漁村では、老朽漁船の交換とエネルギー高効率装置の普及を支援している。特に温室効果ガスを多く排出する漁船から減らす方針だ。水産・漁村の炭素排出量は304万2000トン(2018年)水準から2050年には11万5000トンに減らす計画だ。

◆海洋エネルギー・ブルーカーボンで炭素純減

これに先立ち、大統領直属炭素中立委員会(炭中委)は2050年まで新再生・無炭素エネルギー発電の割合を93.6%(A案基準)まで引き上げるという目標を立てた。海洋水産部は、潮力・潮流・波力発電などの海洋エネルギー活用を拡大すれば、2050年に炭素排出量を-229万7000トンに純減できると推定した。

まず、年間50万人分の電力を供給している始華湖(シファホ)潮力発電所の増設のための妥当性調査を来年から開始する。まだ商用化されていない潮流・波力発電技術の開発にも投資する。

海水部はまた、海で自然に炭素を吸収するいわゆる「ブルーカーボン」を利用し、2050年までに136万2000トンの炭素を吸収することができると見ている。2050年までに30平方キロメートル以上の毀損された干潟を復元し、塩生植物などからなる540平方キロメートル規模の海の森を造成する計画だ。

◆海中に二酸化炭素を貯留

国家温室効果ガスの統計には算定されないが、港湾分野でも炭素中立に寄与するため、荷役装置の低公害エンジン転換拡大などを推進する。また、水素燃料の生産から活用まで可能な水素港湾を2040年までに14カ所構築する。

二酸化炭素を海に大量に貯蔵する二酸化炭素回収・貯留(CCS)事業も本格化する。先だって、炭中委はCCSを通じて二酸化炭素6000万トンを削減する計画を立てた。海洋水産部はCCS候補地を探索し、海洋環境への影響を最小限にする方案を研究する計画だ。

文成赫海洋水産部長官は「海は人為的に排出された温室効果ガスの20~30%を吸収する気候変動阻止線の役割をしている」とし「気候変動対応のために海洋の潜在力を活用し、地球全体の持続可能性を担保できるよう努力する」と述べた。



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