大学入学共通テストの会場前で複数人が刺された現場=15日午前、東京都文京区の東京大学(桐山弘太撮影)
大学入学共通テストの実施会場の東大本郷キャンパスで15日、受験生とみられる高校生らが刺された。将来を決める受験会場で起きた凶行に、近隣住民らにも動揺が広がった。
【写真】着火剤のようなものがまかれた東京メトロ南北線東大前駅
現場近くの酒屋の男性店主(82)は午前8時半すぎ、警察官が容疑者とみられる少年を確保した現場を目撃した。少年は黒い服でメガネをかけていたという。「どこから来た」と詰問する警察官に対し、少年は無表情で何も答えなかったという。
男性によると、人が倒れているのを目撃したが、全く動かなかったという。周りには多くの警察官や大学職員が囲んでいた。男性は「50年近く、受験生が試験会場に入っていくのを見守ってきた。こんなことが起きるのは初めて。みんな人生をかけてきている。こんなことが起きて、とても残念だ」と話した。
受験会場近くの自営業の男性(69)も「この辺は学生も多く、昔から安全な地域。酔っ払いが、その辺で寝ていても大丈夫だったのに。散歩するのも怖いなと思った」と話した。
高校生ら3人を襲い、殺人未遂容疑の現行犯で逮捕された少年(17)は名古屋市の高校生で、容疑を認めているほか、「駅に火を付けた」とも供述。東京メトロによると、近くの南北線東大前駅では、この日、爆竹のようなものがまかれたという。床に黒っぽい爆竹の破片のようなものが散らばっているのを見たという30代の女性会社員は「警察官がたくさんおり、何かあったのかなと思っていた。駅での事件が多いので怖い」と声を震わせた。