
石原慎太郎・元都知事の死去を受けて、自宅前に集まった報道陣にそれぞれの思いを話す(右から)長男の伸晃さん、次男の良純さん、三男の宏高さん、四男の延啓さん(1日午後、東京都大田区で)=沼田光太郎撮影
石原さんの4人の息子は1日夕、東京都内で報道陣の取材に応じ、亡き父への思いを語った。
長男で自民党元幹事長の伸晃(のぶてる)さん(64)は、石原さんが膵臓(すいぞう)がんを患っていたことを明かし、「昨年末に短編小説を取りまとめ、『これが俺の遺作』と話していた。政治家経験が長いが、最後まで作家として仕事をやり遂げた」と話した。
「一つの時代を築いた父だった」と語ったのは、次男でタレントの良純(よしずみ)さん(60)。三男で衆院議員の宏高さん(57)は「目指すべき政治家の先輩だった。父を目指して全力で頑張っていきたい」と話した。
最期に立ち会った四男の画家、延啓(のぶひろ)さん(55)によると、石原さんは亡くなる1時間ほど前は呼吸が苦しそうだったが、最期は安らかに息を引き取ったという。
ゆかりの人からは、悼む声が寄せられた。
副知事として石原都政を支えた青山●明治大名誉教授(78)は、全長約20キロの「山手トンネル」建設工事の了解を求めた際の石原さんの反応が忘れられない。「21世紀にそんな長大なトンネルを掘るのは俺の文明観と違う。第一、俺が生きている間に完成しないものには予算はつけない」と難色を示したが、文句を言いながらも最後はゴーサインを出してくれた。「人を褒めないし、よく毒づく人だったが、部下が上げた提案は基本的に受け入れてくれた」と振り返った。
※●は、にんべんに、八の下に月