工藤会ナンバー3であり「田中組」の5代目組長

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1月25日、福岡地裁。工藤会事件の真相を知る重要人物と位置づけられている被告への被告人質問が行われた。
【画像】「総裁はご当主。実権は会長にある」5代目工藤会の組織内序列
弁護側:
「総裁」という肩書きについてどう思う?尊敬すべき人?
菊地被告:
もちろん、見守っていただけるような存在
1審で死刑を言い渡されたトップの野村悟被告(75)への尊敬の念を口にしたのは、特定危険指定暴力団「工藤会」最高幹部、菊地敬吾被告(49)。
弁護側:
2011年6月に田中組5代目?
菊地被告:
はい
弁護側:
田上被告から継承?
菊地被告:
はい
弁護側:
2011年7月12日に5代目理事長についた?
菊地被告:
はい
菊地被告は、工藤会の中核組織「田中組」の5代目組長。
組織内の序列は3位で、一審で無期懲役を言い渡されたナンバー2で会長の田上不美夫被告(65)に続く、ナンバー3の理事長の座についている。
菊地被告は、野村被告の指揮命令の下で実行された4つの市民襲撃事件のうち、3つの事件に関与したとされている(2012年4月の元警部銃撃事件、2013年1月の看護師刺傷事件、2014年5月の歯科医師刺傷事件)。
また、配下の組員に指示して暴力団排除の標章を掲げた飲食店に放火するなど、合わせて6つの事件で罪に問われ、工藤会事件の真相を知る重要人物と位置づけられている。
元警部銃撃事件 2トップの関与と自らも無罪主張
【1月25日 被告人質問】
弁護側:
代表の名前を見ると、野村被告のあと、田上被告の序列のように見えるが?
菊地被告:
総裁はご当主。実権は会長にある
弁護側:
野村被告の工藤会での権限は?
菊地被告:
権限がないとかではなく、口出しはしません
弁護側:
会長が会の運営を一切持つ?
菊地被告:
そう
弁護側:
“総裁”は、工藤会組織を離れることではない?
菊地被告:
引退ではない
福岡地裁は2021年8月の一審判決で、4つの市民襲撃事件について野村被告を頂点とした工藤会の組織的関与を認定し、トップの野村被告に死刑、田上被告には無期懲役の判決を言い渡した。
野村・田上両被告は一貫して無罪を主張し、控訴している。
2012年、工藤会捜査に携わっていた福岡県警の元警部が銃撃された事件について質問された菊地被告は…。
弁護側:
野村被告から指示を受けた?
菊地被告:
覚えてない
弁護側:
田上被告からは?
菊地被告:
ありません
弁護側:
あなたが指示した?
菊地被告:
ありません
菊地被告は、元警部銃撃事件への野村被告と田上被告の関与を否定。自らも改めて無罪を主張した。