東北大は、大学院農学研究科の准教授の論文2本に、改ざんや盗用の不正行為があったと発表した。論文を撤回するよう准教授に勧告している。
発表によると、論文では数値を入れ替えた図表があり、複数の実験を一つの実験とする改ざんもみられた。学生がほとんどの動物実験や分析結果をまとめたにもかかわらず、了解を得ずにデータを使用しており、盗用と認定した。
2020年4月に農学研究科長から相談があり、同大の調査委員会が同年8月~21年11月に調べた。調査結果に対して准教授から異議申し立てがあったが、「再調査を行うに足る理由が示されていない」として不正があったと結論づけた。同大は「誠に遺憾。研究倫理のさらなる徹底を図り再発防止に努める」としている。